一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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蛍光で遺伝子の機能ネットワークを調べる

植物の光合成を担うクロロフィル (葉緑素) が出す蛍光の強さは、光合成がどのようにはたらいているかによって変化します。原核光合成生物であるシアノバクテリアでは、光合成、呼吸、炭素代謝などの代謝系がオルガネラに局在していないため、例えば呼吸に変化が生じても光合成の変化、つまり蛍光強度の変化としてとらえることができます。我々の研究室では、ここに着目して、シアノバクテリアの全ゲノムの遺伝子変異株の蛍光を解析することにより、遺伝子を、その機能ごとのクラスターとして分類し、最終的には相互の機能ネットワークを解明するというプロジェクトを推進しています。

写真は、トランスポゾンの挿入により、ランダムに作成した複数の変異株を、2次元蛍光カメラを使うことによって一度に解析した例です。左側の普通のカメラでは見分けがつかない変異株でも、真ん中や右の蛍光カメラで見た場合には、変異株によって、または成長の仕方によって異なる蛍光を出す (写真では色の変化で蛍光の強さを表しています) 場合があることがわかります。このように2次元の蛍光解析を取り入れることにより、同時に数多くの変異株を解析するゲノムワイドなアプローチが可能になりました。

資料提供:早稲田大学・教育学部
園池 公毅氏
http://www.photosynthesis.jp/