一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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熱画像で気孔開口を可視化する

 葉の表皮に存在する気孔は光に応答して開口し、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みを促進させます。この時、同時に蒸散による気化熱により葉の温度が低下します。
 
 図はシロイヌナズナに青色光を照射した際の葉面温度の変化を赤外線サーモグラフィという温度を可視化するカメラを用いて解析したものです。この熱画像では青色光照射後に撮影した熱画像から、青色光照射前に撮影した熱画像を差し引いて作製した差分画像を示しています。野生株では青色光に応じて気孔が開口し葉面温度が低下しますが、青色光受容体であるフォトトロピンを欠損する突然変異体では気孔が開口せず葉面温度が低下しません。このように熱画像を利用することで気孔開口を視覚的に検出することが可能になり、大規模な変異体スクリーニングから気孔開口の重要因子の同定が進んでいます。
 
提供 
武宮 淳史 氏 (山口大学大学院 創成科学研究科)