「葉緑体光定位運動」
植物の葉緑体は細胞内に固定されているわけではなく、弱い光環境の下では光に集まり、そして強い光環境のもとでは光から逃げるように動いています。
ここでお見せする動画は細胞内の一部分に光を照射することでこのような葉緑体の運動を起こしています。用いた植物材料はシロイヌナズナの葉の葉肉細胞で、赤色光で観察し、20分間の撮影を1秒で再生しています。微光束は映像の途中に2回、丸く表示されます。はじめの20分間は微光束照射なし、次の30分間は弱い青色光 (1回目の丸表示から2回目の丸表示直前まで) を、次の40分間は強い青色光 (2回目の丸表示から終了まで) を連続照射しました。その結果、照射なしではあまり動かない葉緑体は弱い光の下では光のスポットに集まり、強い時には逃げている様子がよくわかります。
画像提供:基礎生物学研究所
加川 貴俊氏
加川 貴俊氏