カリフラワーの一種であるロマネスコは、きれいなフラクタル構造を示す事で有名です (図1)。フラクタルとは、図形の部分が全体の自己相似になっている構造のことを言います。走査型電子顕微鏡 (SEM) 写真からは茎頂分裂組織で側芽としての茎頂分裂組織がらせん型に作られている事がわかります (図2)。そして、茎頂分裂組織で作られた側芽としての分裂組織が成長すると、これらが茎頂分裂組織の機能をもって側芽分裂組織をつくっていることがわかります。この時、全体がフラクタルになるために重要な条件の一つは、中心の茎も同じペースで大きくなって全体が相似を保つ事です。ちなみに、春が近いためか、このロマネスコの一部の茎頂分裂組織は花芽分裂組織に変化しています。
資料提供:大阪大学大学院理学研究科
北沢 美帆氏、柿本 辰男氏
北沢 美帆氏、柿本 辰男氏