みんなのひろば
日本植物生理学会年会 高校生生物研究発表会 2024年 神戸年会
今年度は昨年に続き対面開催となり、70演題の研究成果が発表され、33校の高校生及び教員合わせて214人というこれまで最も多い参加となりました。それに対応して例年よりも色々な賞が準備されました。ポスター前では大変な熱気で、活発な議論が交わされました。表彰式後の交流会イベントでは最優秀賞に選ばれた研究の紹介と、3つの高校による日頃の研究活動の紹介など、ユニークな取り組みの様子が紹介されました。
今回の年会では、植物生理学会サイエンスアドバイザーを代表して勝見先生にご講評を頂き、以下のような点についてご指摘を頂きました(一部抜粋して要点のみ掲載)。今後、研究を行う際の参考にして下さい。
- テーマ設定の大切さ;生物の現象に着目し、なぜそのような現象が起きるのか(生物学的疑問)について明らかにする。
- 要旨の書き方;要点を得ていない書き方が多い。観察あるいは実験の内容・結果が簡潔に相手に伝わる書き方を。
- 実験の完成について;きちんと科学レポートを書く事がとても大事。本などを参考にして欲しい(例えば、理科系の作文技術 木下是雄著、中公新書など)。
研究発表要旨
研究発表会の様子

受賞された研究発表

最優秀賞
「バナナの長期保存の実現と食べごろ時期の推定」
昭和女子大学附属昭和高等学校
優秀賞
「音がモヤシの成⻑に与える影響」
高槻高等学校
受賞コメント:実験を重ね、沢山の考えを出し合ってより深い研究にしていく事が楽しかったです。指導して下さった先生や大学の方には感謝してもしきれません。本当にありがとうございました。
優秀賞
「牛のヨロイを効率的に落とす物質についての研究」
岡山県立津山高等学校
受賞コメント:1年間牛のヨロイと向き合い、測定方法などに工夫を凝らしながら研究を進めてきました。その中で、このような素晴らしい賞を頂いたことを大変嬉しく思います。本大会で頂いたご指摘を研究に活かしていきます。
優秀賞
「ハナミズキの不思議な開花方法の解析」
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
受賞コメント:自分が一年間頑張って取り組んできたテーマで受賞できて非常にうれしいです。今大会中で頂いたアドバイスや疑問点を通して、ハナミズキのまだ分からない点について解明を進めていきたいと思います。
サイエンスアドバイザー賞
「ダイコンの部位によるイソチオシアネートの生成量の違いとその理由」
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎
サイエンスアドバイザー賞
「♪鳥もが色に騙されていく 構造色で擬態の果実 ~ヤブミョウガのだまし種子散布~」
白梅学園高等学校
サイエンスアドバイザー賞
「ガクアジサイの装飾花が長期間にわたり反り返って残る謎」
浦和実業学園高等学校
研究者審査員賞
「光ストレスに対するシロイヌナズナのアスコルビン酸産生応答」
神戸海星女子学院高等学校
研究者審査員賞
「ローズマリーの葉の構造に隠された工夫」
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
研究者審査員賞
「バニーカクタスの小さな針は何のために?」
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
研究者審査員賞
「アメリカデイゴの花はなぜ上下逆転しているのか?」
横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校
研究者審査員賞
「発酵度合の異なる3種の茶葉の間での抗菌作用の違い~特に抽出方法に注目して~」
石川県立七尾高等学校
顧問教員審査員賞
「開花前年の気温がサクラの開花に与える影響と新たな開花予測法」
芝浦工業大学柏高等学校
顧問教員審査員賞
「カイワレ大根にストレスを与えた場合のポリフェノール量の変化」
京都府立嵯峨野高等学校
顧問教員審査員賞
「ブタナの傾性運動に影響を与える環境要因」
石川県立七尾高等学校
高校生審査員賞
「モジホコリが変形体から子実体に変化する条件を探る」
岡山県立津山高等学校
高校生審査員賞
「カフェインとアルコールがゼブラフィッシュに与える影響」
高槻高等学校
高校生審査員賞
「モジホコリの合理的な経路設計に水が与える影響」
岡山県立岡山一宮高等学校