一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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黒大豆の色素について

質問者:   会社員   由元宏美
登録番号0203   登録日:2005-01-31
黒大豆のアントシアニンの水溶液への流出を抑えるものはなにがありますか?
鉄を加えても脱色してしまいました。

また、液中へ一度出てしまった色素が元に返ることはありますか?
由元 宏美さま

 黒豆種皮には、色素としてアントシアニンの他にプロアントシアニジンが含まれています。プロアントシアニジンは、アントシアニン類縁化合物が縮合した高分子で、水に溶けにくい性質をもっています。アントシアニンは水溶性が高いので黒豆を煮るときにどうしても煮汁に溶け出してしまい、プロアントシアニンは溶けずに残ります。でも安心してください。プロアントシアニンの方がアントシアニンよりはるかに強い抗酸化活性をもつので、残った色素だけでも十分健康によい煮黒豆ができます。ちなみに黒豆の近縁でプロアントシアニジンを含みアントシアニンを含まない「茶豆」にも黒豆なみの抗酸化活性があることが明らかにされています。鉄やミョウバンは、色素と錯体を形成して安定化し発色を鮮やかにしますが、不溶性にするはたらきはそれほど強くないようです。また、煮終わった豆を煮汁に漬けておく(お料理用語で「ふくませる」というらしい)と、煮汁がいくらか豆に吸収されるようです。煮汁をさらに煮つめて濃くするとよいかもしれません。
千葉大学
 山崎 真巳
回答日:2009-07-03
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