質問者:
大学生
とも
登録番号0290
登録日:2005-06-26
種子が発芽するとき水がないと発芽しないのは何故ですか?
種子発芽と水の関係
ともさん
ほとんど全ての生物の生命活動は水のある環境で行われます。それは生命活動の構造単位である細胞の働きには水がかかせないからです。細胞の活動は細胞内のさまざまな生化学反応によって維持されています。生化学反応は酵素が触媒する化学反応で、水のある条件で進行するのが普通です。
ところで、種子の発芽という現象は種子の中に形成されて、休眠している幼植物体(胚)が成長を再開することです。胚の成長のためには、新しい細胞が作られることになります。そのために、細胞を構築するための各種の物質の合成、またそのための生体エネルギー(ATP)の供給、化学反応すすめるための酵素の合成など盛んな化学的反応が起きます。種子の中には胚が成長を再開するときに必要な養分(上記の諸反応の材料を供給する)が、胚乳とよばれる組織に貯蔵されています。イネのデンプン、ダイズのタンパク質、ピーナッツの脂肪などがそうです。種子が水を吸うとこれらの貯蔵物質を分解する酵素が活性化されたり、新しく合成されたりします。それらの酵素の働きの結果、デンプンからはブドウ糖が、タンパク質からはアミノ酸が、脂肪からは脂肪酸が生成されて、新しい細胞をつくるために種々利用されます。
以上のように種子の発芽には水の供給がかかせませんが、中には吸水するだけでは発芽しないで休眠を続ける種子があります.吸水中0℃近くの低温に一定期間(ふつう1ケ月位)曝しておかないと発芽できない種子もあります(低温要求性種子)。また、赤色光が必要な種子もあります。
ともさんは大学生ということですが、「植物生理学」の教科書を見て下さい。種子の発芽についてはもっと詳しく書かれています。高校の生物の教科書でも十分知識が得られると思います。
ほとんど全ての生物の生命活動は水のある環境で行われます。それは生命活動の構造単位である細胞の働きには水がかかせないからです。細胞の活動は細胞内のさまざまな生化学反応によって維持されています。生化学反応は酵素が触媒する化学反応で、水のある条件で進行するのが普通です。
ところで、種子の発芽という現象は種子の中に形成されて、休眠している幼植物体(胚)が成長を再開することです。胚の成長のためには、新しい細胞が作られることになります。そのために、細胞を構築するための各種の物質の合成、またそのための生体エネルギー(ATP)の供給、化学反応すすめるための酵素の合成など盛んな化学的反応が起きます。種子の中には胚が成長を再開するときに必要な養分(上記の諸反応の材料を供給する)が、胚乳とよばれる組織に貯蔵されています。イネのデンプン、ダイズのタンパク質、ピーナッツの脂肪などがそうです。種子が水を吸うとこれらの貯蔵物質を分解する酵素が活性化されたり、新しく合成されたりします。それらの酵素の働きの結果、デンプンからはブドウ糖が、タンパク質からはアミノ酸が、脂肪からは脂肪酸が生成されて、新しい細胞をつくるために種々利用されます。
以上のように種子の発芽には水の供給がかかせませんが、中には吸水するだけでは発芽しないで休眠を続ける種子があります.吸水中0℃近くの低温に一定期間(ふつう1ケ月位)曝しておかないと発芽できない種子もあります(低温要求性種子)。また、赤色光が必要な種子もあります。
ともさんは大学生ということですが、「植物生理学」の教科書を見て下さい。種子の発芽についてはもっと詳しく書かれています。高校の生物の教科書でも十分知識が得られると思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2009-07-03
勝見 允行
回答日:2009-07-03