一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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屈触性

質問者:   中学生   杏子
登録番号0339   登録日:2005-08-13
今、卒業研究で<つる植物はどうして巻きつくのか?>をテーマに研究しています。

色々調べているうちに屈光性・屈触性…という言葉がでてきました。
屈触性の中には、巻きひげが含まれている、と参考書に書いてありました。

そこで質問なのですが、家で育てているニガウリの巻きひげは物に触れているわけでは無いのにクルクルに巻いています。
屈触性というのは、物に触れることによって起こるものですよね?

それでは、どうして何も触れていないのに巻いてしまうのでしょうか?
教えてください。

後、ふと思って考えこんだのですが、一般に<つる>という風にいわれているものは<茎>とは違うのですか?
杏子さま
 まず、“つる”と“巻ひげ”を区別しましょう。インゲンマメ、クズなどつる植物ですが、巻ひげを持っていません。キュウリ、ニガウリ、エンドウもつる植物ですが、巻ひげを持っています。“つる”は茎ですが、巻ひげは茎が変形した場合(ブドウ、ヤブガラシ、フウセンカヅラ)もありますが、キュウリ、ニガウリ、エンドウなど多くの場合、葉の変形したものです。バニラの巻ひげのように根が変形したものもあります。ご質問の件ですが、巻ひげの屈触性運動は、あるものにずうっと接触していなくても、少しの間、接触しただけでも起こります。風などにより動かされ、何かに接触し、その後は接触刺激を受けていないのに巻く場合が多いと思います。何にも接触しなくても、老化がすすむと、巻くことが知られていますので、そのような場合かも知れません。巻ひげは葉の変形したものが多いので、葉に裏表があるように、巻ひげにも裏表があり、裏で接触刺激を感じる巻ひげ、表で感じる巻ひげ、両方で感じる巻ひげがあります。いろいろな植物の巻ひげに触ってみるのも面白いと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
 柴岡 弘郎
回答日:2009-07-03