スイカさま

　コルヒチンは現役時代によく使っていたものですが、いつも市販のものを使っており、イヌサフランから取ったことはありませんでした。ということで、取るところは経験が無いので、本に書いてあることの紹介です。コルヒチンはイヌサフランの全草に含まれていますが、特に種子、鱗茎に多いそうです。抽出には熱エタノールが使われ、再結晶には酢酸エチルが使われています。スイカの実験に使われるのなら、粗抽出液でも大丈夫かも知れません。種無しスイカをつくるのには、まず、普通の品種（２倍体）のスイカの芽生え（子葉の時期）の芽にコルヒチン（0.1 - 0.8%溶液）を処理します。この処理で、2 - 10%の割り合いで、４倍体のスイカになります。種子を取り、翌年、この４倍体のスイカの種子を播き、これの雌花に普通のスイカの花粉を授粉させ３倍体のスイカを作り、種子を取ります。翌年、またこの３倍体のスイカを育てると種無しスイカができるはずですが、３倍体のスイカでは花粉も不稔なので、３倍体の雌花に普通のスイカの花粉を授粉させる必要があるそうです。コルヒチン以
外で種無しを、ということですが、コルヒチンは紡錘体を形成している微小管を壊すことで染色体の倍加を引き起こしているので、微小管破壊剤ならどれでもコルヒチンの代わりになると思いますがこのようなことをしたという話は聞いたことがありません。コルヒチン以外の微小管破壊剤としては、プロピザマイド（プロナマイドと呼ばれていることもあります）が副作用がなく、もし試されるのでしたらこれがお薦めです。