一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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葉の付き方にも色々有りますが・・・

質問者:   自営業   博行
登録番号0838   登録日:2006-06-30
葉の付き方には互生、対生がありますが、(もちろん他の付き方もありますが、)
互生と対生ではそれぞれにメリット、デメリットは有りますか?
博行 さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は標記の番号で受け付けました。回答をここにお送りします。

生物の形は実に様々で、このようなことを「生物種の多様性」と言いますが、30数億年にわたる進化の過程で生み出されたものでたいへん貴重なものです。葉の付き方もその1つで葉序と言います。葉序については登録番号0700に解説がありますので参照してください。対生、互生と言ってもそれぞれにいろいろな型があります。対生では十字対生、輪生、互生では2/5(茎の周りを2回回るあいだに5枚の葉がある)とか3/8(茎を3回回るあいだに8枚の葉がある)などがあり、長い進化の結果ですので「現在の生育環境条件下でのメリット、デメリット」は判りませんし、それを論じてもあまり意味のある議論にはなりません。多様な葉序ができる要因の1つに茎頂と葉原基の相対的大きさがあげられています。たとえば茎頂が小さくて葉原基が大きければ簡単な葉序、対生あるいは十字対生になりますが、茎頂が大きく、葉原基が小さければより複雑な葉序、輪生葉とか複雑な互生葉序とななります。
人間活動の活発化、多様化のため地球上の生物種の多様性が失われつつあり、種によっては絶滅の危機に瀕しているものもあります。人間も一生物種にすぎないことを十分に認識して生物種多様性の保全に意を注ぎたいものです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-08-25