一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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腋芽について

質問者:   その他   パンジー
登録番号0843   登録日:2006-07-02
腋芽には必ず葉がつくのでしょうか?
パンジー さん:

ご質問は2つの意味に解釈されますね。

1)腋芽そのものに必ず葉があるのか?
2)腋芽の脇には必ず葉があるのか?

どちらにしてもお答えすることは難しくありませんので含めてお答えします。 実は腋芽と葉の関係については登録番号0700(枝分かれ)でお答えしていますので、それを読んでいただければ全部お分かりになると思いますが、中学生向きに書き直します。
葉は茎に付きますが、茎との接合部、つまり茎と葉(葉柄がある場合は葉柄)の付け根との間には必ず腋芽ができます。腋芽というのは伸長すると枝になりますので、伸長しない腋芽状態でも中に小さな葉と茎があります。腋芽が伸長するかしないかは植物によって大きく違います。一般に主軸の成長先端があれば下の方の腋芽は伸長が抑制されますが、その抑制の度合いが大きく違うので腋芽が伸長して箒状(あるいは叢状)になるもの(ヒメジョオンやヒメムカシヨモギなど)、ほとんど腋芽が伸長しないので直立した茎と葉だけのもの(セイダカアワタチソウなど)とその中間型ができることになります。また、腋芽が花に分化するものあるいは退化するものもたくさんあります。このように葉の付け根には腋芽ができますが、葉は落葉しますので、腋芽だけで葉がない場合もあります。落葉樹では腋芽は冬芽(越冬型の腋芽)となって葉が落ちても残りますので周辺に葉がない状態になります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-08-25