一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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かいわれ大根の発芽実験

質問者:   中学生   しげっこ
登録番号0964   登録日:2006-08-10
自由研究で、かいわれ大根を使っていろいろな水溶液で育てるとどのような違いが出るのかを実験しています。
普通の水道水、砂糖水、食塩水、酢水の4種類です。
発芽したのは水道水だけです。
食塩水については、このサイトで原因はわかりました。
残りの砂糖水、酢水についてなぜ発芽しないのか教えて下さい。
しげっこ さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用有り難うございます。「かいわれ大根の発芽実験」についてのご質問は登録番号0964で受付、回答をお送りします。

夏休みの自由研究は実験などの仕方を工夫するかどうかで、うまくいくかいかないかが決まってしまいますね。種子の発芽に対するいろいろな水溶液の効果を調べようとするものですが、砂糖水、食塩水、酢水を試されたとき、それぞれの濃度はどのようにしましたか?
この研究では、砂糖、食塩、酢などの濃度が大切です。酢水については、同じ質問が登録番号0365にあり、詳しい説明がありますのでご覧になってください。砂糖(ショ糖)は中性の物質で濃度だけが問題です。植物の組織を溶液につけると、細胞膜を境にして細胞内溶液と細胞外溶液が接することになります。このとき、細胞外の濃度が細胞内の濃度よりも低ければ、水は細胞内に吸収されます。しかし、その逆ですと細胞内の水が外にでることになります。ショ糖の場合その限界は8〜9%にありますので、それよりも薄いショ糖溶液では発芽、生長が濃度によって遅れることはあっても水道水と同じ結果になるはずです。発芽しなかったのはショ糖濃度が高すぎたためと思われます。酢でもショ糖でも、濃度をいろいろに変えた溶液をつくって調べ比較したらどうでしょうか。ショ糖でしたら2%間隔で12%くらいまでで発芽、成長に差がでると思います。酢は酢酸が主体で酸性が影響しますのでよく判りませんが市販の酢の50分の1,100分の1、200分の1,1000分の1希釈くらいでまず実験してみたら如何でしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2012-08-25
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