質問者:
中学生
理科博士助手50号
登録番号0974
登録日:2006-08-13
僕は最近理科が好きになってきて生物についての本を呼んでいて以下のような語句が当たり目のように出てきたのですが、その語句の大まかな機能については自分で本などで調べたのですがわからないことがあったので諮問します。生物の身体
1.なぜ植物には細胞壁が必要なのか?
2.なぜ植物は葉緑体が必要なのか?
3.なぜ植物は液胞が必要なのか?
4.花粉管は何のために伸びるのか?
宜しくお願いします。
理科博士助手50号さま
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡です。頂いたご質問ですが、どんな本を読んでいるのですか。細胞壁とか、葉緑体とか、液泡とか、花粉管のことが書いてある本でしたら、それらがどういう物で、どんな働きをしているかも書いてある筈です。どんな物で、どんな働きをしているかが判れば、答えも判って来るように思います。しっかりと読み直してみて下さい。
柴岡 弘郎(JSPPサイエンスアドバイザー)
[再質問]
お返事ありがとうございます。
花粉管が伸びる理由は<受精するため>と自分なりに解釈してしまったのですがそんな感じで大丈夫ですか?
何度本を読み返しても簡単な紹介しか載っていなくて、なかなか理解が出来ません。またよろしくお願いします。
色々な本を読んでみたらなんとなく理解できました。
葉緑体は光合成や窒素代謝、アミノ酸合成、脂質合成、色素合成などの役割がある。
液胞は老廃物の貯蔵のため。
やはり細胞壁と花粉管だけはわかりませんでした。
[再回答]
理科博士助手50号さま
前回の私の返事に応えて、しっかりと本を読み、葉緑体や液泡については勉強したそうで感激です。それでも細胞壁と花粉管についてはよく判らないということなので、その二つについて説明しますが、細胞壁のことを説明するのに液泡のことも説明しなくてはならないので、まず、細胞壁と液泡について説明し、そのあとで花粉管のことについて説明します。習ったと思いますが、生物は動物でも植物でも細胞でできています。細胞は動物細胞でも植物細胞でも細胞膜と呼ばれる膜で包まれています。ただし、動物細胞が細胞膜の外側に殆どなにも持っていないのに対し、植物細胞は細胞膜の外側に細胞を保護する丈夫な壁を持っています。これが細胞壁です。聞いたことがあると思いますが、植物はセルロースを持っています。セルロースはこの細胞壁に含まれていて細胞壁を丈夫なものにしています。細胞壁は取り除くことができます。細胞壁を取り除いて出来た物をプロトプラストと呼んでいますが、プロトプラストはちゃんと生きているので、細胞が生きて行くことに細胞壁は必要ではないと言えます。植物の細胞を顕微鏡で見たことがあるでしょうか。いろいろな形をしています。ところが細胞壁を取り除いて作ったプロトプラストはどれも球形です。細胞壁は細胞がいろいろな形を取ることに必要なのです。細胞の形は細胞壁の性質によって決められているとも言えます。ここで液泡が登場します。液泡は将太さんが勉強したように老廃物を溜める役割を果たしていますが、その他に、細胞を膨らませる働きを持っています。
液泡は水を吸い込む働きを持っており、水を吸い込むので、吸い込んだことによって生じた圧(膨圧といいます)により細胞壁が押し広げられ、細胞が膨らむのです。風船を膨らませる時の事を思い出して下さい。風船は空気を入れることによって膨らみます。細胞は液泡の中に水を取り込むことによって膨らむのです。植物に水をやらないでいると萎れます。水をやらないので液泡の中の水が外に出てしまい細胞が膨らんでいられなくなるからです。花粉管の話しに移ります。花粉管は将太さんが解釈した通り?精するためのものです。雌しべの先端(柱頭と呼びます)に花粉がつくことを受粉ということは習ったと思います。花粉は1個の細胞のように見えますが、2個の細胞から出来ています。花粉の細胞の中には花粉の細胞の核のほかに雄原細胞という細胞が入っているのです。花粉が柱頭の上に付くと発芽して花粉管が伸びてきます。
花粉管は雌の細胞(卵細胞)の方へと伸びて行きますが、雄原細胞は花粉管の中を移動し卵細胞に近づきます。雄原細胞は移動の途中で分裂し、二つの雄の細胞(精細胞)を生じます。精細胞も花粉管の中を移動し卵細胞に到達し受精が成立します。受精の過程はもう少し複雑ですが、それはまた勉強して下さい。
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡です。頂いたご質問ですが、どんな本を読んでいるのですか。細胞壁とか、葉緑体とか、液泡とか、花粉管のことが書いてある本でしたら、それらがどういう物で、どんな働きをしているかも書いてある筈です。どんな物で、どんな働きをしているかが判れば、答えも判って来るように思います。しっかりと読み直してみて下さい。
柴岡 弘郎(JSPPサイエンスアドバイザー)
[再質問]
お返事ありがとうございます。
花粉管が伸びる理由は<受精するため>と自分なりに解釈してしまったのですがそんな感じで大丈夫ですか?
何度本を読み返しても簡単な紹介しか載っていなくて、なかなか理解が出来ません。またよろしくお願いします。
色々な本を読んでみたらなんとなく理解できました。
葉緑体は光合成や窒素代謝、アミノ酸合成、脂質合成、色素合成などの役割がある。
液胞は老廃物の貯蔵のため。
やはり細胞壁と花粉管だけはわかりませんでした。
[再回答]
理科博士助手50号さま
前回の私の返事に応えて、しっかりと本を読み、葉緑体や液泡については勉強したそうで感激です。それでも細胞壁と花粉管についてはよく判らないということなので、その二つについて説明しますが、細胞壁のことを説明するのに液泡のことも説明しなくてはならないので、まず、細胞壁と液泡について説明し、そのあとで花粉管のことについて説明します。習ったと思いますが、生物は動物でも植物でも細胞でできています。細胞は動物細胞でも植物細胞でも細胞膜と呼ばれる膜で包まれています。ただし、動物細胞が細胞膜の外側に殆どなにも持っていないのに対し、植物細胞は細胞膜の外側に細胞を保護する丈夫な壁を持っています。これが細胞壁です。聞いたことがあると思いますが、植物はセルロースを持っています。セルロースはこの細胞壁に含まれていて細胞壁を丈夫なものにしています。細胞壁は取り除くことができます。細胞壁を取り除いて出来た物をプロトプラストと呼んでいますが、プロトプラストはちゃんと生きているので、細胞が生きて行くことに細胞壁は必要ではないと言えます。植物の細胞を顕微鏡で見たことがあるでしょうか。いろいろな形をしています。ところが細胞壁を取り除いて作ったプロトプラストはどれも球形です。細胞壁は細胞がいろいろな形を取ることに必要なのです。細胞の形は細胞壁の性質によって決められているとも言えます。ここで液泡が登場します。液泡は将太さんが勉強したように老廃物を溜める役割を果たしていますが、その他に、細胞を膨らませる働きを持っています。
液泡は水を吸い込む働きを持っており、水を吸い込むので、吸い込んだことによって生じた圧(膨圧といいます)により細胞壁が押し広げられ、細胞が膨らむのです。風船を膨らませる時の事を思い出して下さい。風船は空気を入れることによって膨らみます。細胞は液泡の中に水を取り込むことによって膨らむのです。植物に水をやらないでいると萎れます。水をやらないので液泡の中の水が外に出てしまい細胞が膨らんでいられなくなるからです。花粉管の話しに移ります。花粉管は将太さんが解釈した通り?精するためのものです。雌しべの先端(柱頭と呼びます)に花粉がつくことを受粉ということは習ったと思います。花粉は1個の細胞のように見えますが、2個の細胞から出来ています。花粉の細胞の中には花粉の細胞の核のほかに雄原細胞という細胞が入っているのです。花粉が柱頭の上に付くと発芽して花粉管が伸びてきます。
花粉管は雌の細胞(卵細胞)の方へと伸びて行きますが、雄原細胞は花粉管の中を移動し卵細胞に近づきます。雄原細胞は移動の途中で分裂し、二つの雄の細胞(精細胞)を生じます。精細胞も花粉管の中を移動し卵細胞に到達し受精が成立します。受精の過程はもう少し複雑ですが、それはまた勉強して下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-09-09
柴岡 弘郎
回答日:2006-09-09