一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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どうして秋になると紅葉するのか?

質問者:   小学生   みぃな
登録番号0976   登録日:2006-08-14
今、自由研究で上の用なことをやっています!
カエデなどの写真を見て感じた疑問なんですが、どうして紅葉するのか具体的でわかりやすい資料がありません・・・どうか、わかりやすく具体的に教えてください!
みぃな さま

 みんなの広場へのご質問有難うございました。頂いたご質問の回答を九州大学の吉玉先生にお願いしましたところ以下のような回答をお寄せくださいました。実験や観察のヒントも書かれていますので、やってみてはいかがでしょう。

 
とてもおもしろいことにきづいたと思います。秋になり、山々が赤く(もしくは黄色く)色付くけしきは昔から多くの日本人の心をひきつけてきました。あの赤い色は、バラの花やリンゴの赤い色と同じ種類の色素によって色付けられています。
しかし、秋の季節になり葉が落ちる前に、モミジなどの植物がなぜ赤い色素を作るのかについては、多くの科学者がこれまでに研究しているにもかかわらず、まだほとんどわかっていないのです。
これまでにわかっていることは、

(1)葉が赤くなる前に、葉の中にいろいろな養分がたまってきていること。
(2)高い山のように、昼と夜の温度の差があると色素がたくさんできて紅葉がきれいになること。

などです。高山では、秋になると木の葉だけではなく草の葉も赤く色付きますよ。
草が赤く染まるのはクサモミジといいます。
葉は秋だけではなく、葉にきずがついたときや、春の芽吹きのころにも赤く色付くものもありますので、1年を通して葉の着色を観察するのもいいかもしれませんね。

また、水草のオオカナダモの葉を切断して、砂糖水(4%くらいの濃度)に浮かべて少し明るい蛍光灯の下に置くと、葉が少しずつ赤くなる様子も観察できますよ。

今年の秋は、ぜひ野外に出かけどんな植物の葉がどんな色になるのか観察してみませんか。よ〜くながめていると、もしかしたら自然が紅葉のヒントをあなたに与えてくれるかもしれません。

吉玉 国二郎(熊本大学理学部)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2006-08-22