質問者:
小学生
K.Y
登録番号1008
登録日:2006-08-26
ぼくは夏休みによく庭のみょうがをとりに行きます。みんなのひろば
野菜のにおいについて教えてください
庭にはえている時はにおいがしないのに、薬味で食べる時はよい香りがします。
他の野菜はどうかと思い調べてみました。
しょうがやにんにく、しその葉、ねぎなどもそのままより切ったり、すったりした時のほうがにおいが強くなりました。
野菜のにおいについて図書館で調べてみましたが、書いてある図鑑も本も見つかりませんでした。
野菜が切ったりすったりした方が、においがするのがどうしてなのか教えてください。
それから図書館の本の検索でわからなかったので、どうやってこれから調べていったらいいかも教えてほしいです。
よろしくおねがいします。
K.Y さん:
日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は登録番号1008で受け付けました。ここに回答をお送りします。
ミョウガ、ショウガ、ニンニク、ネギ、シソの他、いわゆるハーブと言われているパセリー、コリアンダー、ローズマリーなど、葉を切ったり、もみつぶしたりするとにおいを出す植物はたくさんありますね。中には、葉を切らなくてもかすかに香りを出すものもありますね。花の香りはその例です。「におい」ってなんだと思いますか。
においは、揮発した物質が空気と混ざって、私たちの鼻に入ると、鼻の神経を刺激するために感ずるものです。においのある植物はこのように揮発しやすい物質を持っているのですが、大きく分けると2つの型があります。1つ目は、他の物質と結合していて揮発性もなく、においもしない形で含まれていますが、植物を傷つけると分解して、揮発するにおい物質に変化するものです。タマネギやニンニクのにおいはこの仲間です。2つ目は一番多い型ですが、においのある揮発する物質が、そのままの形で植物細胞の中の小さな袋の中に貯えられているものや、特別な袋や管の中にためられているものです。そのため、植物の葉や茎を切らなくてもかすかな香りがします。おおくのハーブや花の香り物質、マツ、ヒノキのよいにおいはこの仲間です。1つ目の型の物質は、植物細胞にある袋(液胞といいます)の中にありますが、細胞をこわす(切ったり、すりつぶしたりして)と袋の中の物質と、袋の外にあった酵素とが混ざります。すると袋の外にあった酵素の働きで、においの元になる物質が分解され、におい物質がでてくるのです。2つ目の型では、細胞がこわされるとにおい物質の入っていた小さな袋や管も潰れますので、一度ににおい物質がたくさん揮発するためにおいが強く感ずるのです。ミカンやグレープフルーツの皮を、黄色い方を外側にして折り曲げると、よい香りの液が飛び出します。黄色い皮の表面にある油嚢という特別な袋に精油がためられていたからです。ライターやローソクの炎に向けて皮を折り、液が炎にあたるとどんなことになるか試してご覧なさい。K.Y さん、身近にあるいろいろな植物の葉を指先でつぶして「におい」をかいでみてください。よい香りのもの、嫌なにおいのもの、におわないものがあることがわかります。
日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は登録番号1008で受け付けました。ここに回答をお送りします。
ミョウガ、ショウガ、ニンニク、ネギ、シソの他、いわゆるハーブと言われているパセリー、コリアンダー、ローズマリーなど、葉を切ったり、もみつぶしたりするとにおいを出す植物はたくさんありますね。中には、葉を切らなくてもかすかに香りを出すものもありますね。花の香りはその例です。「におい」ってなんだと思いますか。
においは、揮発した物質が空気と混ざって、私たちの鼻に入ると、鼻の神経を刺激するために感ずるものです。においのある植物はこのように揮発しやすい物質を持っているのですが、大きく分けると2つの型があります。1つ目は、他の物質と結合していて揮発性もなく、においもしない形で含まれていますが、植物を傷つけると分解して、揮発するにおい物質に変化するものです。タマネギやニンニクのにおいはこの仲間です。2つ目は一番多い型ですが、においのある揮発する物質が、そのままの形で植物細胞の中の小さな袋の中に貯えられているものや、特別な袋や管の中にためられているものです。そのため、植物の葉や茎を切らなくてもかすかな香りがします。おおくのハーブや花の香り物質、マツ、ヒノキのよいにおいはこの仲間です。1つ目の型の物質は、植物細胞にある袋(液胞といいます)の中にありますが、細胞をこわす(切ったり、すりつぶしたりして)と袋の中の物質と、袋の外にあった酵素とが混ざります。すると袋の外にあった酵素の働きで、においの元になる物質が分解され、におい物質がでてくるのです。2つ目の型では、細胞がこわされるとにおい物質の入っていた小さな袋や管も潰れますので、一度ににおい物質がたくさん揮発するためにおいが強く感ずるのです。ミカンやグレープフルーツの皮を、黄色い方を外側にして折り曲げると、よい香りの液が飛び出します。黄色い皮の表面にある油嚢という特別な袋に精油がためられていたからです。ライターやローソクの炎に向けて皮を折り、液が炎にあたるとどんなことになるか試してご覧なさい。K.Y さん、身近にあるいろいろな植物の葉を指先でつぶして「におい」をかいでみてください。よい香りのもの、嫌なにおいのもの、におわないものがあることがわかります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-08-28
今関 英雅
回答日:2006-08-28