一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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塩を除草剤として使用した場合の害について

質問者:   会社員   ブレーブスアオチャン
登録番号1036   登録日:2006-09-06
塩を野球のグランドの除草のために散布したいのですが、選手やコーチなど人間の体に害はないですか。
ブレーブスアオャン さま

 植物が塩(食塩NaCl)の散布によって成長が抑えられ、枯死にいたる現象は、例えば、台風時の海水による塩害などとしてよく知られている現象です。本質問コーナーにおいても、これまで塩の植物に対する効果とその機構についていろいろの面から解説されています(登録番号0120、登録番号0126、登録番号0178、登録番号0327、登録番号0484、登録番号0578、登録番号0582、登録番号0704、登録番号0891のご質問とその回答)。野球グランドの雑草を塩によって枯らせるための参考にして下さい。
 この様にして草のなくなった野球グランドでプレイをしても大丈夫かどうかのご質問ですが、残念ながら私たちは体育生理、人体生理の専門家ではありませんので確実な回答はできません。野球グランドである以上、そこでプレイをする人は砂埃をかぶるのは当然と思いますが、これに塩埃が加わっても常識的には問題はないとは思います。塩は水に溶けますから、塩による除草が終わって雨があった後にプレイをするようにすれば、塩埃の心配もなくなるのではないでしょうか。
 塩によるグランドの除草を行う際、塩水、それが、乾燥してできる塩埃が飛散して、周りの農地の作物を初めとして、グランド周辺の植物を枯らさないように充分に注意することが必要と思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2006-09-08