松尾　知美さま

　タバコインベルターゼについての詳細なデータはご自分で実験データを取っていただくしか方法がないようです。
　秋田県立大学の中村先生から、測定法や文献のお答えをいただきましたので、参考にして下さい。


１．インベルターゼ活性測定法
　植物のインベルターゼには、大きく、細胞壁型、細胞質型、液胞型の3タイプがあることが知られていて、それぞれ酵素活性の至適条件が異なります。細胞質型と液胞型はそれぞれ中性インベルターゼ、酸性インベルターゼとも呼ばれ、至適ｐHは名前のとおり、それぞれ中性、酸性です。
　タバコ細胞でも、数種類のインベルターゼが含まれている可能性が高いので、至適ｐHについては、調べてから本実験に入られてはどうでしょうか。参考までに中性インベルターゼの測定法を添付します（秋田県立大学中村研究室のプロトコール）。

　タバコ酵素の至適温度については良くわかりませんが、これも簡単にテストすることが可能ですので、是非試してみて下さい。通常30度や37度で測定していて、温度に関しては通常の酵素と差異は無く、至適温度が極端に低温や高温にふれて入るようなことはないと思います。

参考文献（必要なら、コピーをご請求ください）
１．T.E.Barman. β-Fructofuranosidase (3.2.1.26). in Enzyme Handobook
vol.1. pp. 584-585 (1969)
２．K. Koch. Sucrose metabolism: regulatory mechanisms and pivotal roles in sugar sensing and plant development. Current opinion in Plant Biology 7: 235-246 (2004)


Invertase測定法

・. 1段階法
1 ) 反応液 ( 500μl )
　50μl 500 mM Hepes－NaOH ( pH 7.0 ) 50 mM
　30μl 50 mM ATP 3 mM
　10μl 50% Sucrose 40 mM
　50μl 10 mg / ml NADP 1 mM
　20μl 200 mM MgCl2 8 mM
　1μl G6P dehydrogenase ( BM ) 0.35 U
　1μl Hexokinase ( BM ) 1.4 U
　345μl D.W.
　10μl Enzyme preparation

( Reaction started by adding Sucrose )

2 ) 活性計算
Abs.1 ＝ 81 nmoles / Time ( min ) / vol of Enzyme prep