質問者:
自営業
都留子
登録番号1075
登録日:2006-10-09
はじめまして。大分県でトルコギキョウを栽培しています。1月、2月の低温寡日照の時期に出荷する作型なので、ブラインド、ブラスチングが発生し高品質には程遠いものになってしまうと考えてます。そこで、二酸化炭素施用をしようと計画してるのですが、トルコギキョウはいつ呼吸をしているのかいろいろ調べてもわかりません。C3型 C4型 CAM型どれなのでしょうか。どうかお力添え下さい。
みんなのひろば
トルコギキョウは何型?
都留子 様
トルコキギョウの光合成の様式についてのご質問ですが、C4 Plant Biology (Rown F.Sage & R.K.Monson (Ed)(1999))にはC4植物としてトルコキギョウが記載されていませんのでC3型の光合成を行っていると思われます。さらに、園芸がご専門の京都大学農学研究科・附属農場の片岡 圭子 博士におたずね致しましたところ、最近の研究を含め次のような解説を頂きましたので、ご覧下さい。
トルコギキョウを私は本格的に栽培したことがありませんが、竹崎ら(2004)の論文では,PAR 700 μmol m-2 s-1付近に光合成の光飽和点があり,呼吸による二酸化炭素の発生と光合成による二酸化炭素の固定量が等しくなる光照度である光補償点がPAR 40 μmol m-2 s-1位ですから,C3型といってよいと思います。C4型であれば、光補償点がもっと低くゼロに近くなるはずです。{PAR: 光合成有効放射(光合成に有効な光照度単位)}。
一方、トルコギキョウ切り花栽培における二酸化炭素施用について,2005年秋の園芸学会大会で山形の佐藤らが,4:00〜8:00 amの施用によって切り花長,切り花重が増加すること,光照度が高い(PAR 100または400 μmol m-2 s-1)場合は二酸化炭素施用濃度が高いほど効果が大きくなること(400<800<1200<1600<2000 ppm),光照度が低いと(PAR 10,1 μmol m-2 s-1)その効果は小さいことを報告しています.また,ヨーロッパなど寡日照地域では,光合成の補完を目的とした夜間の補光を行って,品質を向上させていると聞いたことがあります.ご参考になれば幸いです.
・竹崎あかね・吉田裕一・枡田正治.トルコギキョウのロゼット株と抽だい株における葉の形態と光合成特性.園芸学会雑誌 73(3): 287 – 293 (2004)
・佐藤武義・西村林太郎・小野恵二.トルコギキョウの秋冬期における炭酸ガス施用が生育,開花に及ぼす影響.園芸学会雑誌 74(別2):518 (2005)
片岡 圭子(京都大学農学研究科・附属農場・植物生産管理学)
トルコキギョウの光合成の様式についてのご質問ですが、C4 Plant Biology (Rown F.Sage & R.K.Monson (Ed)(1999))にはC4植物としてトルコキギョウが記載されていませんのでC3型の光合成を行っていると思われます。さらに、園芸がご専門の京都大学農学研究科・附属農場の片岡 圭子 博士におたずね致しましたところ、最近の研究を含め次のような解説を頂きましたので、ご覧下さい。
トルコギキョウを私は本格的に栽培したことがありませんが、竹崎ら(2004)の論文では,PAR 700 μmol m-2 s-1付近に光合成の光飽和点があり,呼吸による二酸化炭素の発生と光合成による二酸化炭素の固定量が等しくなる光照度である光補償点がPAR 40 μmol m-2 s-1位ですから,C3型といってよいと思います。C4型であれば、光補償点がもっと低くゼロに近くなるはずです。{PAR: 光合成有効放射(光合成に有効な光照度単位)}。
一方、トルコギキョウ切り花栽培における二酸化炭素施用について,2005年秋の園芸学会大会で山形の佐藤らが,4:00〜8:00 amの施用によって切り花長,切り花重が増加すること,光照度が高い(PAR 100または400 μmol m-2 s-1)場合は二酸化炭素施用濃度が高いほど効果が大きくなること(400<800<1200<1600<2000 ppm),光照度が低いと(PAR 10,1 μmol m-2 s-1)その効果は小さいことを報告しています.また,ヨーロッパなど寡日照地域では,光合成の補完を目的とした夜間の補光を行って,品質を向上させていると聞いたことがあります.ご参考になれば幸いです.
・竹崎あかね・吉田裕一・枡田正治.トルコギキョウのロゼット株と抽だい株における葉の形態と光合成特性.園芸学会雑誌 73(3): 287 – 293 (2004)
・佐藤武義・西村林太郎・小野恵二.トルコギキョウの秋冬期における炭酸ガス施用が生育,開花に及ぼす影響.園芸学会雑誌 74(別2):518 (2005)
片岡 圭子(京都大学農学研究科・附属農場・植物生産管理学)
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2006-10-12
浅田 浩二
回答日:2006-10-12