一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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試薬の作用について

質問者:   大学院生   大学院生
登録番号1083   登録日:2006-10-16
私は、暖地型牧草の倍化処理の研究をしています。そこで染色体を観察する際に、1-ブロモナフタレンという試薬を用いて前処理を行っているのですが、この試薬は8-ヒドロキシキノリンやコルヒチンと同じような働きがあるのでしょうか?いくら調べてもわかりませんでしたので、どなたか回答していただけないでしょうか?
大学院生さん

みんなのひろば質問コーナーは、主として一般の方を対象とし、植物の素朴な疑問にお答えするコーナーです。大学院生の方は、文献検索や指導教員への相談を十分にしてから、投稿してください。今回は、いくら調べてもわからないとのことですので受け付けますが、回答は特定の研究者の方に依頼して作成していただいており、まったくの寄稿形式ではないことを覚えておいて下さい。今回は、植物遺伝学がご専門の遠藤隆先生(京都大学農学研究科)に回答を御願いしたところ、下記の返事を頂きました。文献もあげて下さっていますので、参考にしていください。

この物質は染色体観察の時に、分裂中期像を得るために使うもので、コルヒチンと同じ作用をします。ある専門書の内容をそのまま引用します。

The effect of alpha-bromonaphthalene is almost the same as that of colchicine. It is sparingly water soluble. A saturated aqueous solution is used in pretreatment for 2 to 4 h at room temperature. This pretreatment is effective for wheat and barley chromosomes.
Plant Cytogenetics, 2nd Ed. by R.J. Singh, CRC Press

遠藤 隆(京都大学農学研究科)
広報委員、京都大学
河内 孝之
回答日:2006-10-18
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