一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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桐はゴマノハグサ科のはずなのですが?

質問者:   会社員   自然風
登録番号1084   登録日:2006-10-16
所持している図鑑類に目を通している時、1冊の図鑑に桐がノウゼンカズラ科と記されており、出版社に連絡と確認をしましたら「ゴマノハグサ科でもノウゼンカズラ科でも編集者によって決められる」と言われ、全く違う科でありながら、一人の意見で決められている事に疑問を持ち以前ここでお世話になり丁寧にご返事を戴いたので厚かましく再度質問をさせて戴きました。
尚、図鑑は山と渓谷社の山渓カラー名鑑・日本の樹木で669ページに記されています(ノウゼンカズラ科キリ属として)。
自然風 さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は標記の番号で受け付けました。
回答は植物分類学をご専門の、東京都立大学名誉教授 小野幹雄先生にお願いし、以下のような回答を頂きました。

 キリ、およびキリ属は通常はゴマノハグサ科に分類します。しかしゴマノハグサ科の大部分は草本ですし、またキリの花はかなり特殊な構造もしているので、ゴマノハグサ科から独立させてキリ科としたり、あるいはノウゼンカズラ科に入れたりする意見もあります。どの意見を採用するかは基本的にはその論文をを書いた人(通常は分類学者)の見解ですが、教科書や図鑑の場合は、一人の編集者なり分類学者なりが決めることではなく、学界の大勢として認められるか、賛同者の多い見解を採用するのが普通です。キリの場合はゴマノハグサ科にしておくのが無難かと思います。

小野 幹雄(東京都立大学名誉教授)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-08-10
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