一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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脂肪酸などの発芽阻害物質による発芽阻害機構を教えてください。

質問者:   大学生   ちゃき
登録番号1091   登録日:2006-10-24
生ごみ堆肥などでは、脂肪酸などによる発芽阻害が見られます。
文献を調べたところ、根の伸長が悪くなるようですが、発芽阻害物質がどのように植物の発芽を阻害するのか、詳しくはわかりませんでした。発芽阻害機構について詳しく知りたいと考えています(できれば生理的なメカニズムが知りたいです)。また、発芽阻害の影響は、植物の種子の大きさに関係するのかも知りたいです。よろしくお願いします。
ちゃき さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問の課題については、農業試験場などで試験段階の問題だと思います。十分に熟成されていない生ゴミ堆肥の中に、レタス、ダイコン、コマツナなどの試験種子の発芽を阻害する成分を含むことは報告がありますが、その阻害物質が何か、同定された範囲では、揮発性の低級脂肪酸類やフェノール性有機酸があります。これらの物質による発芽阻害の機構は残念ながら分かっていません。種子休眠の場合には、植物ホルモンの一つアブシジン酸が発芽を抑制していたり、発芽を促進するジベレリン量が十分でなかったり、といった説明はされますが、アブシジン酸やフェノール性有機酸による発芽阻害の生化学的機構は、貯蔵物質の分解が抑制されている、という以外のことは解明されていません。これからの問題ですから、ぜひ研究を進めて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2006-11-01
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