一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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「ナバナ」の開花

質問者:   一般   ブラシカ
登録番号1129   登録日:2006-12-14
家庭菜園でナバナ(茎葉を摘み取る三重県タイプ)を栽培しています。
今年は8月の終わりに種をまき、9月中旬から下旬に同じ苗を3回に分けて定植しました。なぜか9月25日頃定植(2回目)したものだけ、花芽がついてしまいました。毎年、花芽が上がってくるのは3月になってからですし、1回目と3回目に定植した株からは花芽がありません。どうして、2回目の株だけ花芽がついてしまったのでしょうか。
ブラシカ さん

本コーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございました。ナバナ(三重県タイプ)は、洋種ナタネ(Brassica napus)の一種ですね。
この質問には、岡山県生物科学総合研究所で開花の仕組みについて研究されている後藤弘爾博士に回答をお願いしました。以下の回答をご参考にして下さい。ところで、2回目に定植した株はすべて花芽をつけ、また、結実しましたか。

植物は一般に、もっとも適切な時期に花を咲かせることが出来るような仕組みを持っています。特に温度や日の長さを刺激として感じ取り、花を咲かせる時期を決めることが知られています。一方、ある種のストレス(悪環境)によって、本来咲かない時期に花が咲くことも知られています。いわゆる狂い咲きと呼ばれるものはこういう原因が多いと考えられます。ご質問の、2回目分だけがなぜ花が咲いたかについても、その時だけ何らかのストレスがかかったのかも知れません(根が切れたとか、植え替えたときの環境がその時だけ悪かったとか、何らかの病気に感染したとか)。2回目と1,3回目とで何か変わった点があった可能性があります(気がつかない点も含めて)が、いろいろ調べないと分からないことも多いと思います。1,2,3回目に定植した植物の種子をそれぞれ取ってまいてみて、来年、再び2回目の種子から育った植物だけが早く咲くかどうか調べてみてください。

後藤 弘爾(岡山県生物科学総合研究所)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2006-12-19
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