一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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葉柄などにつくネバネバするものは何?

質問者:   会社員   グッドシャイン
登録番号1135   登録日:2006-12-21
観葉植物が好きな者です。時折、葉柄にカイガラ虫の被害ではない透明のべたべたしたものを見つけます。誰かに、植物が蜜のようなものを出しそれを好む昆虫が食し、そのお礼にその植物の害虫から身を守ってもらう・・・とかなんとか、そんな話を聞きました。また吸収しすぎた養分を体内に排出している・・・とかなんとか、そんな話もききましたが、実際はどうなんですか。私が見た観葉植物では、ドラセナ類・パキラ・クワ科植物(ゴムの木の各種)などです。宜しくお願いします。
グッドシャインさま

大変長いことお待たせいたしました。ようやく回答を頂くことが出来ましたので、お届けします。最初は虫好きな植物学者に聞いたのですが、回答が頂けず、次に小石川の植物園にも聞きましたが、これもだめ。最後に植物生理学会の会員ではないのですが、京都大学の生態学研究センターの高林純示先生にお願いいたしました。先生はセンターの片山 昇さんに回答を依頼してくださり、その結果、以下のような回答を頂くことが出来ました。ご参考になれば幸せです。

片山 昇さんの回答
葉柄部から蜜状の液体が出ている場合、それらは花外蜜かと思います。
ドラセナ属やクワ科の植物の中には、花外蜜腺をもつ種がみられます。
バキラ属の中で、花外蜜腺をもつ種がいるのかは分かりませんが、
バキラが属するリュウゼツラン科の中では、花外蜜腺をもつものがみられます。
蜜腺の機能ですが、アリ防衛説と不用糖排出説があり、論争されていましたが、ご存じのとおり、アリ防衛説で落ち着いています。
(ただ、全て種の花外蜜腺が、アリ防衛として機能しているとは限りませんが。)

高林純示先生のコメント
最近の研究では、アリだけでなく害虫の捕食性天敵なども利用しているようで
す。また分泌による防衛効果も植物の種によっては高いとされています。分泌
の制御はジャスモン酸が関与しているという論文もあります。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-02-09
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