質問者:
大学生
しゅん
登録番号1151
登録日:2007-01-11
こないだ「ヤブツバキは一年ごとに開花が盛んになる」ということを聞いたのですが、理由が資料も全然無く、どうしても分かりません。冬芽と花芽の形成と何らかの関係があるという事は分かったのですが、納得いきません。そこで質問してみました。みんなのひろば
ヤブツバキの花芽と葉芽の関係
あと、今後に役立てるために、その一年おきの盛んになる開花が何の為に起き、何に役立ち、ほかの生物達にどのような効果を及ぼすのかも教えて頂けたら嬉しいです。
よろしくお願いします。
しゅん様
質問の内容が漠然としていますし、また、植物生理学上の問題を外れたことも含まれているようです。開花や花芽形成がどのようにコントロールされているかという問題の基本的なメカニズムについての研究を紹介することは容易ですが、生物学専攻のあなたも参考文文献を読めばわかることでしょう。しかし、ある植物がどうして花を沢山つけたり、つけなかったりするのかを全ての植物に共通な原理みたいなもので説明することはできません。一般に樹木の花は毎年同じように沢山花をつけるとは限りません。これはヤブツバキに限ったことではありません。わたくしの家の庭にはシャクナゲやツバキが植わっていますが、放ったままなので、隔年にしか沢山花をつけません。ヤブツバキに固有のことであれば、園芸関係のその専門家に聞いていただくより他ありませんが、ここでは考えうることを述べてみます。
ところで、質問されているヤブツバキは自然に山地に生育しているものでしょうか。それとも、栽培種でしょうか。ヤブツバキは園芸種としてもいろいろ作出されているようです。植物が花(この場合ふつうの樹木の花のことを考えましょう)をつけることに影響する外的要因は、温度、日照、肥料(栄養)、水分などがあります。植物にとって花を咲かすと言うことは、生殖行為の一過程であり、最終的には受精・種子形成をして種の繁殖を目的とするものです。したがって、植物はそのために特別にエネルギーを投入しなければなりません。種子形成まで進んだ時は特にそうです。そのため、植物は”消耗”することになります。植物が沢山花を咲かせるためにはいわば体力みたいなものが必要です。果樹の場合でも成り年の翌年は果実は少ないのがふつうのようです。
植物が毎年沢山花を咲かせるには、種子形成のためにエネルギーを使い過ぎて、翌年は体力回復のために休むようなことがなければよいのでしょう。そのためには十分かつ適切な施肥と適切な剪定が必要なのではないでしょうか。植物は毎年新芽を形成し、栄養成長を続けます。そのために、エネルギーがとられすぎるのも良くないもしれません。サザンカ類は、あるいは他の多くの樹木でも、新しい枝や若木には花がつかないようです。一番よいのは、植木屋さんにどうしたら毎年沢山花を咲かせることができるかを教えてもらい、その上でなぜかを考えることです。分かったら、わたくしにも教えて下さい。
ところで、他の生物達にどのような効果を及ぼすかということですが、答えは分かりません。ヤブツバキの花には当然各種の虫が訪れるでしょう。もし、ヤブツバキの花がある虫の繁殖に関係しているとすれば、花が少ないことは当然その虫にとっては不利にはたらくでしょう。したがって、その虫のpopulationはヤブツバキの花の数に応じて変動することも考えられます。また、蜜をあつめるにしても、花が少ないだけ蜜の供給源が減ることですから、やはり不利になるかもしれません。そのような虫の存在を知りませんので、いずれも想像の域をでません。
質問の内容が漠然としていますし、また、植物生理学上の問題を外れたことも含まれているようです。開花や花芽形成がどのようにコントロールされているかという問題の基本的なメカニズムについての研究を紹介することは容易ですが、生物学専攻のあなたも参考文文献を読めばわかることでしょう。しかし、ある植物がどうして花を沢山つけたり、つけなかったりするのかを全ての植物に共通な原理みたいなもので説明することはできません。一般に樹木の花は毎年同じように沢山花をつけるとは限りません。これはヤブツバキに限ったことではありません。わたくしの家の庭にはシャクナゲやツバキが植わっていますが、放ったままなので、隔年にしか沢山花をつけません。ヤブツバキに固有のことであれば、園芸関係のその専門家に聞いていただくより他ありませんが、ここでは考えうることを述べてみます。
ところで、質問されているヤブツバキは自然に山地に生育しているものでしょうか。それとも、栽培種でしょうか。ヤブツバキは園芸種としてもいろいろ作出されているようです。植物が花(この場合ふつうの樹木の花のことを考えましょう)をつけることに影響する外的要因は、温度、日照、肥料(栄養)、水分などがあります。植物にとって花を咲かすと言うことは、生殖行為の一過程であり、最終的には受精・種子形成をして種の繁殖を目的とするものです。したがって、植物はそのために特別にエネルギーを投入しなければなりません。種子形成まで進んだ時は特にそうです。そのため、植物は”消耗”することになります。植物が沢山花を咲かせるためにはいわば体力みたいなものが必要です。果樹の場合でも成り年の翌年は果実は少ないのがふつうのようです。
植物が毎年沢山花を咲かせるには、種子形成のためにエネルギーを使い過ぎて、翌年は体力回復のために休むようなことがなければよいのでしょう。そのためには十分かつ適切な施肥と適切な剪定が必要なのではないでしょうか。植物は毎年新芽を形成し、栄養成長を続けます。そのために、エネルギーがとられすぎるのも良くないもしれません。サザンカ類は、あるいは他の多くの樹木でも、新しい枝や若木には花がつかないようです。一番よいのは、植木屋さんにどうしたら毎年沢山花を咲かせることができるかを教えてもらい、その上でなぜかを考えることです。分かったら、わたくしにも教えて下さい。
ところで、他の生物達にどのような効果を及ぼすかということですが、答えは分かりません。ヤブツバキの花には当然各種の虫が訪れるでしょう。もし、ヤブツバキの花がある虫の繁殖に関係しているとすれば、花が少ないことは当然その虫にとっては不利にはたらくでしょう。したがって、その虫のpopulationはヤブツバキの花の数に応じて変動することも考えられます。また、蜜をあつめるにしても、花が少ないだけ蜜の供給源が減ることですから、やはり不利になるかもしれません。そのような虫の存在を知りませんので、いずれも想像の域をでません。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-01-18
勝見 允行
回答日:2007-01-18