質問者:
一般
yamazaru
登録番号1196
登録日:2007-02-22
先日テレビを見ていて、食用となる黒い海藻を磯から採取しているのを見ました。アナウンサーが光合成している海藻と言います。みんなのひろば
海藻の光合成について
わかめや昆布などは海中で緑色をしていますので、葉緑素を持ち、光合成していると思いますが、黒い海藻も葉緑素を持つて光合成するのですか。ふと、疑問を持ちましたのでよろしくお願いします。
Yamazaru 様
ご質問をありがとうございました。兵庫県淡路市の岩屋にある神戸大学・内海域環境教育研究センターで海藻類の生理作用について研究されている村上明男先生が問題のTVニュースを見ておられたようですので、本質問への回答をお願いしました。ご参考にしてください。
このニュース番組は私も偶然見ました。番組の中では、日本海の磯に生えているさまざまな海藻“モンバ”(いろいろな海藻を区別せずに総称)を採っている様子が映し出され、確かに集めた海藻は“黒く”見えていました。画面から海藻の種類を正確に特定するのは困難ですが、冬のこの時期に磯に豊富に生えているのは野生の海苔(紅藻アマノリ属)だと思います。生きたアマノリを光に透かして見ると、“淡い暗紅色”などと表わされるように微妙で奇麗な色合いを呈します。決して“黒い海藻”ではありませんが、シート状のアマノリが何枚も重なったりすると“黒い”印象を受けると思います。
紅藻類やワカメ、コンブなどの褐藻類(生の藻体は“緑色”では無く、黄褐色)も、緑藻類や陸上植物と同じように光合成に不可欠な色素である“緑色の葉緑素(クロロフィル)”を持っています。実際に、紅藻類をアルコールなどの有機溶媒に浸すと“緑色の葉緑素”が選択的に溶け出てきます。また、黄褐色の褐藻を湯につけると黄褐色の成分(光合成色素フコキサンチン)が壊れ、葉緑素による緑色が浮き上がってきます。
なお、アマノリが“限りなく黒い”色に見えるのは、アマノリが緑色の葉緑素(赤色と青色の光を吸収)と共に紅藻特有の赤い光合成色素フィコエリスリン(緑色の光を吸収)を豊富に持つことで、可視光の各成分をほぼ万遍無く吸収するためです。『赤と緑の絵の具を混ぜると黒く見える』のと同じような理屈と考えて頂いて構いません。
村上 明男(神戸大学・内海域環境教育研究センター)
ご質問をありがとうございました。兵庫県淡路市の岩屋にある神戸大学・内海域環境教育研究センターで海藻類の生理作用について研究されている村上明男先生が問題のTVニュースを見ておられたようですので、本質問への回答をお願いしました。ご参考にしてください。
このニュース番組は私も偶然見ました。番組の中では、日本海の磯に生えているさまざまな海藻“モンバ”(いろいろな海藻を区別せずに総称)を採っている様子が映し出され、確かに集めた海藻は“黒く”見えていました。画面から海藻の種類を正確に特定するのは困難ですが、冬のこの時期に磯に豊富に生えているのは野生の海苔(紅藻アマノリ属)だと思います。生きたアマノリを光に透かして見ると、“淡い暗紅色”などと表わされるように微妙で奇麗な色合いを呈します。決して“黒い海藻”ではありませんが、シート状のアマノリが何枚も重なったりすると“黒い”印象を受けると思います。
紅藻類やワカメ、コンブなどの褐藻類(生の藻体は“緑色”では無く、黄褐色)も、緑藻類や陸上植物と同じように光合成に不可欠な色素である“緑色の葉緑素(クロロフィル)”を持っています。実際に、紅藻類をアルコールなどの有機溶媒に浸すと“緑色の葉緑素”が選択的に溶け出てきます。また、黄褐色の褐藻を湯につけると黄褐色の成分(光合成色素フコキサンチン)が壊れ、葉緑素による緑色が浮き上がってきます。
なお、アマノリが“限りなく黒い”色に見えるのは、アマノリが緑色の葉緑素(赤色と青色の光を吸収)と共に紅藻特有の赤い光合成色素フィコエリスリン(緑色の光を吸収)を豊富に持つことで、可視光の各成分をほぼ万遍無く吸収するためです。『赤と緑の絵の具を混ぜると黒く見える』のと同じような理屈と考えて頂いて構いません。
村上 明男(神戸大学・内海域環境教育研究センター)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2007-02-27
佐藤公行
回答日:2007-02-27