一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ダイコンの花の色の違い

質問者:   一般   miinaa
登録番号1204   登録日:2007-03-05
ダイコンの花の色はだいたい白で、すこしピンクがかったものを
見ることがありますが、買ってきた大根の首を水栽培していたら、
とても濃いピンクの花が今日咲きました。
どんな原因で花の色が変わるのか不思議におもったので
おしえていただければうれしいです。
miinaaさん、大変お待たせしました。「ダイコンの花の色の違い」についてのご質問は、花の色を専門に研究しておられる名古屋大学大学院の吉田久美先生に回答をお願いしました。

miinaa様

ダイコン(学名:Raphanus sativus)の花は、白ではなく、わずかに紫色がかっているのが普通と思います。花弁で、アントシアニンという色素が生合成されており、色が付きます。アントシアニンの生合成量は、品種によっていろいろですし、成育環境条件でも多少変化します。「濃いピンク」というのは、アントシアニンの量の変化であって、多分、色素の成分の違いでは無いと思います。
購入されたダイコンの品種が何かわかりませんので、考えられる可能性としては以下の2つあると思います。1.このダイコンが、もともと濃いピンクの花をつける品種であった。(ダイコンの花を見る機会は、種苗農家でないとなかなか無いと思います)2.首だけを水耕したという成育条件が、何らか、アントシアニンの生合成量を上げる要因となった。(アントシアニンはストレス応答成分として生合成される場合もあります、地中で根を張り育ったのではなく、
水耕という条件下で花をつけたということが、何らかの、ストレス因子になった可能性もあるかと思います)

吉田 久美(名古屋大学大学院)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-04-10
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