一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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変異について

質問者:   その他   まつもと
登録番号0123   登録日:2004-09-01
こんにちは。高校2年生です。
夏休みの宿題でメヒシバの採集を100本し(全て日なたです)、穂の数を数えました。
「変異があったか、なかったかについての各自の判断とその理由を書け」という課題が出ているのですがよくわかりません。
穂の数は3〜8本に分かれていましたが変異の原因など参考文献やヒントがあれば教えてください。
どうぞよろしくお願いします。
まつもとさん

 生物の形質に個体間や集団間に差異があることを「変異がある(専門的には表現型変 異)」といいます。(表現型)変異は個体間の遺伝的な違い(遺伝的変異)が原因で ある場合と、育ってきた環境の違いが原因である場合とがあります。両方の原因が同時に働いている場合もよくあります。どちらの原因が重要であるかを知るためには、 同じ環境で育てて比較したり、遺伝的に同じ個体を異なる環境下で育てて比較する必要があります。
 さらに環境の違いの中にも、気温や光環境が、植物の生育に影響を与えて形態が変化する場合と、虫に食べられたり、病気で一部が欠落したりして、元は同じようだったのに見た目が変わっている場合もあります。それにも十分に注意して観察する必要があります。
 従って、表現型(見た目)の違いに変異があるとしても、それを見るだけで結論を出すことは難しいですね。
 
 森島啓子著 「野生イネへの旅」 裳華房ポピュラーサイエンスを読まれてみるとどうでしょうか。野生イネの変異を研究する様子が読み物風に書かれています。メヒシバもイネ科なので何かヒントが得られるかもしれません。
神戸大学
 工藤 洋
回答日:2008-07-09
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