一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ホウセンカの色染め

質問者:   一般   あや
登録番号1247   登録日:2007-04-28
ホウセンカに色インクで茎と葉の働きの実験がありますが、どんな花が色が染まるか夏休みの課題として小学三年の子供と色々とためしてみたいと思っています。今は種植と図書館で調べていますがあまり情報がありません。花にはもともと持っている色素があると思うので、染まりやすい花はなにがありますでしょうか。また、道管の太さにも関係はありますでしょうか。宜しくお願いいたします。
あや さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。「ホウセンカの色染め」のご質問は標記の番号で受け付け、回答をお送りします。

もう夏休みの自由研究が話題になるころですね。「準備万端怠りなし」の気構えの親御さんの気迫を感じます。まず、関連する質問がすでに登録番号0950にありますので、参考になさって下さい。
実は、ご質問が「どんな花が色が、染まるか」という表現になっており、おそらく「どんな花の色が、染まるのか」と解釈してお答えします。
植物に色素を吸収させる実験をするとき大切なことは、茎を水の中で、鋭い刃物で切り取ってから、切り口を色素溶液に浸け、明るいところにおくことです。色素水溶液は、茎切り口に露出した道管から吸収され、葉の蒸散作用で引き上げられるため、植物体全体が染まっていきます。花(花弁)にも道管が通り、蒸散も起こりますので色素溶液が浸透して「着色」します。ですから、どんな植物の花でも染めることはできます。しかし、染めた結果が人の目にはっきりと映らなければなりませんね。これらのことを考えあわせると、1.茎がきれいに切れること、2.色素の色が鮮明に見えるような花弁色(淡色系)であること、3.蒸散作用が盛んであること、4."花持ち"がよいことなどが実験材料として適していることになります。一般に、園芸店で売っている淡色の花を咲かせる草花、切り花などは、これらの条件にかなっていると思われます。その他アブラナの仲間などは適しているでしょう。草花ばかりでなく、樹木でも、新しく出た、葉が薄緑色の小枝なども使えるかもしれません。また、食用色素にはいろいろな色のものが市販されていますので、花の色と色素の色との組み合わせを変えて試してみませんか。意外なことが分かるかもしれせん。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-05-07
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