一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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タンポポの花の開閉運動

質問者:   自営業   タンポポ@東京
登録番号1249   登録日:2007-04-30
以前もこの質問コーナーのお世話になったことがあり、ありがとうございます。
先週4月25日午前10時から、私たちが保護活動をしている都立光が丘公園の「カントウタンポポ自生地」に、小学6年生約100名が来訪し「カントウタンポポ観察会」が開催されました。私たちボランティアがタンポポの保護活動やタンポポの生態について解説を担当しましたが、当日は朝から雨でタンポポの花は皆つぼみを閉じていました。そこで小学生から”タンポポの花が雨の日にはなぜ閉じたままで開かないのか?、また天気の良い日は花が朝開き夕方には閉じるのはなぜか?”との質問がありました。残念ながら私たちはこの質問に回答することが出来ませんでした。
そこで、タンポポの花の日周運動の原因と天候と開花との関係についてお教え下さい。
タンポポ@東京さま

みんなの広場へのご質問ありがとうございました。カントウタンポポの花が雨の日にしぼんでいるのを観察なさったそうですが、外来種のタンポポが雨の日にも割に平気で咲いているのに対し、在来種は雨に敏感に反応して閉じる場合が多いように思います。タンポポに限らず、いろいろな植物で日が照ると花が開き、日が陰ると閉じることが観察されています。花が開いたり閉じたりするのは、光の強さや温度の変化によるものですが、サフランやチューリップでは暗黒中で温度を上げてやっても花が開くので、温度の変化が花の開閉の原因とされています。光を当てると温度も上がるので、温度が関係していないと言うのは難しいのですが、タンポポの場合は光が原因とされています。温度や光の量の変化で花が開いたり閉じたりするのは、花びらの内側と外側の伸びに違いが生じるからで、花びらの内側が外側より良く伸びると花は開き、外側が内側より良く伸びると花は閉じます。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-05-07
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