一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物の方向感覚

質問者:   会社員   nakamura
登録番号1259   登録日:2007-05-11
例えば、鉢で育てている花を三日置きに置いている方向を
南→北→西→東→南という具合に変えてたりして育てた場合、
その事が原因で、生育が不良になったり、あるいは枯れてしまうほど重篤な障害を抱えてしまう事はは考えられるでしょうか?
 この場合、その鉢の移動はしないものとします。あくまでも向きを変えるだけです。

よろしくお願いします。
nakamura さん:

日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。ご質問は標記の番号で受け付け、回答をお送りします。
鉢植えの花にとって、三日おきに向きを変えられることは自然状態ではないことなのでストレスがかかるのでなないか、とお考えなのかもしれません。簡単な実験ですので、ご自分で実際に試してごらんになるのが一番良いことだと思います。このような実験をした記録は知りませんが、まず、この実験で、植物が受ける変化は、光を受ける方向が三日毎に少しばかり違うことで、それ以外の環境条件は、動かさない植物と同じです。三日に一度、向きを変えられたため、一時的に光を受ける方向が変わりますので、若い植物では茎の先端や、葉の向きを変えることがあるかもしれませんが、生育不良とか、枯死するような重篤な症状を起こすことは予測できません。肉眼の観察では、大きな変化は起こらないでしょう。
植物は光の方向を感知して、光が来る方向に向く光屈性という性質を持っています。
窓際においた植物が明るい方に向くことはよく知られています。しかし屋外においた場合、自然状態で太陽の動きはゆっくりしたもので、はっきりとその動きに反応して運動する植物は多くはありません。有名な例はヒマワリで、若いつぼみをもつまでの茎の先端部は、朝は東を、昼間はほぼ真上、夕方には西を向きます。詳しくは、登録番号033をご覧下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-05-14
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