一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉緑体の色が濃くみえる理由は?

質問者:   高校生   すず
登録番号1262   登録日:2007-05-12
学校でカナダモの葉の原形質分離の観察をしたのですが、その時原形質分離した細胞の葉緑体は色が濃く見えました。
ただ葉緑体が集まっているから色が濃く見えるのかそれとも生物学的な理由があるのかを教えてください。
すず 君

原形質分離はドラマチックな現象ですね。
一般に、色が濃く見えるのは、見ている部分に色素分子が高濃度で存在しているためだと言えます。この場合、色素分子は主にクロロフィル(葉緑素)ですね。原形質分離の過程でクロロフィルが急に合成されるとは考えられないので、クロロフィルを含む物質が視野にたくさん集まってきたと考えるのが妥当かと思います。原形質分離に際しては細胞質(原形質)の容積が減少するので、細胞内での葉緑体の動きは制約を受け、かき集められて来るように見えませんか。結果として、葉緑体は明らかに高密度で存在することになります。時に色が濃く見えるのは、やはり葉緑体が集まっているからだと考えるのが良いのかも知れません。ところで、原形質分離で細胞質が収縮するとき、葉緑体や液胞などの細胞小器官はどのように変化するのでしょうか。是非、よく観察して、考えてみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2007-05-18
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