一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ヘチマとひょうたんの混植、相性

質問者:   公務員   モカ
登録番号1267   登録日:2007-05-15
ヘチマとひょうたんを栽培したいと思います。混植はやめたほうが良いと人に聞きました。へちまとひょうたんを混植してはいけないのですか。相性がわるいのですか。混植するとどのような問題点があるのですか。それとも、混植しても良いのでしょうか。教えて下さい。よろしくお願いします。
モカ様

ヘチマとひょうたんの相性についてはわかりません。そのような実験は聞いたことがありませんが、もしあるとすれば、園芸関係の実験報告にあるのかもし れません。ここでは、ヘチマとヒョウタンについて直接お答えできませんが、混植ということで、一般的なコメントをしておきます。植物は根から色々な物質を分泌します。また、葉からもさまざまな気体の有機物質が空気中に放出されます。これらの物質は、近傍で生育する他の種の植物の成長にとって、阻害的であったりすることが多々あります。つまり、繁殖のストラテジーとして働いていると考えられます。そのような現象をアレロパシー(他感作用)といい、関与する物質をアレロパシー物質といいます。中には自分と同じ種の植物にも阻害的影響を持つ場合もあります。これは、同じ仲間が近傍で生育して、栄養等の点で競合しないためと解されます。しかし、植物は自然界で生育する時、多くの場合、他の種とお互いにうまくバランスをとりながら共存しています。さて、狭い範囲に2つの植物が育てる時、一方がよく成長するとしても、それが他感物質のためだと断定することはできません。植物がよく育つかどうかは、養分(肥料)・水分の供給や日照がとても大きく関係します。肥料が限定要因になっていて、たまたま、一方が生長速度の速いもので、どんどん根を張ってしまうと、他方は競争負けすることになります。また、2つの植物の一方が湿った状態を好み、他方が乾燥した状態を好むようであれば、両者を同じ場所で育てるには無理があります。2つの植物の一方が特別の物質を分泌するなどして、積極的に他を抑制していない限り、栄養条件などが十分に満たされていれば、両者ともよく育つと考えてよいでしょう。おたずねのヘチマとヒョウタンがどういう関係にあるかはわかりません。両者の混植が望ましくないという結論をするには、1〜2本の個体を植えて、その結果で判断することは間違っています。沢山の個体を栽培して、いろいろな条件を明確にして結果を統計的に分析することが必要です。私の感じでは、ヘチマとヒョウタンをあまり接近して植えず、肥料も水分も十分に供給され、お互いに十分陽に当るようになっていれば、両方とも育つのではないのでしょうか。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-05-18
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