質問者:
中学生
マーボー
登録番号1271
登録日:2007-05-18
僕は、中学校1年です。みんなのひろば
なぜ受粉をしないといけないのか。
受粉についての授業で受粉をしなければ種子ができないと言っていました。ぼくは、最初から、雄しべと雌しべが一緒になってればいいと思い「なぜ、受粉をしなければいけないんですか?」と聞いたら先生は、もったいぶって教えてくれません。どうしても知りたいので教えてください。お願いします。
マーボー 君
質問にお答えしましょう。でも、質問の意味がちょっと分かりにくい気がします。「雄しべと雌しべが一緒になっていればいい」と思ったということは、「一緒になっていれば受粉しなくてもよいのではないか」ということなのかな? まず、種子とは何かということを考えましょう。種子に共通の構造は胚(はい)というものがあることです。胚は次の世代の植物となるもので、種子をまいて、芽がでるというのは、この胚が成長を始めるということなのです。胚は雌しべの子房というところでつくられます。子房の中では卵細胞(卵子、ランシ)と精細胞(精子)とで受精がおこなわれ、受精卵ができて、それが分裂を繰り返して胚となるのです。卵細胞は雌しべの子房の中でつくられますが、精細胞は雌しべの先端(柱頭、チュウトウといいます)に付着した花粉がのびてできる花粉管という管の中にあります。花粉管が子房に到達すると、精細胞を子房内に放出するのです。花粉が柱頭について花粉管が伸び始めることを受粉といいます。ところで、私達の周囲に見られる生物は、動物も植物も昆虫も、何らかの形で雄、雌の区別をもっています。雄の器官からは精子(精細胞)が雌の器官からは卵子(卵細胞)がつくられます。精子や卵子のことを配偶子と呼んでいます。精子は雄性配偶子で卵子は雌性は配偶子ということになります。雄性配偶子と雌性配偶子が合体するのが受精であり、その結果受精卵ができます。そして、受精卵から胚ができていくのです。[何故、受粉しなければいけないのか」という質問への直接的な答えは、受粉しないと受精がおきず、したがって胚も、種子もできないということになります。ところで、植物の場合は、雄性と雌性の現れ方は種類によって異なっています。
植物の性は花で区別できます。多くの植物では、同じ花の中に雄しべと雌しべの両方がありますが(両性花といいます)、同じ個体で雄花と雌花と別々(単 性花といいます)につけるものもあります。また、雄花と雌花が別々の個体に出来る場合もあります。いずれの場合も、受粉があってはじめて受精がおこなわれます。なぜ雄しべと雌しべ、つまり雄性と雌性ができているのかということは、ちょっと難かしい問題なので、ここで簡単に説明できませんが、こんなふうに理解して下さい。生物は地球上で、その起原から長い長い進化の歴史のなかで、子孫の繁殖や生存にとって、より有利なさまざまな生物学的手段を獲得してきています。性の分化(雌性と雄性の出現)はその一つであると。マーボーくんが更にもっと生物学を勉強して行く中で、理解を深めることを期待しています。
質問にお答えしましょう。でも、質問の意味がちょっと分かりにくい気がします。「雄しべと雌しべが一緒になっていればいい」と思ったということは、「一緒になっていれば受粉しなくてもよいのではないか」ということなのかな? まず、種子とは何かということを考えましょう。種子に共通の構造は胚(はい)というものがあることです。胚は次の世代の植物となるもので、種子をまいて、芽がでるというのは、この胚が成長を始めるということなのです。胚は雌しべの子房というところでつくられます。子房の中では卵細胞(卵子、ランシ)と精細胞(精子)とで受精がおこなわれ、受精卵ができて、それが分裂を繰り返して胚となるのです。卵細胞は雌しべの子房の中でつくられますが、精細胞は雌しべの先端(柱頭、チュウトウといいます)に付着した花粉がのびてできる花粉管という管の中にあります。花粉管が子房に到達すると、精細胞を子房内に放出するのです。花粉が柱頭について花粉管が伸び始めることを受粉といいます。ところで、私達の周囲に見られる生物は、動物も植物も昆虫も、何らかの形で雄、雌の区別をもっています。雄の器官からは精子(精細胞)が雌の器官からは卵子(卵細胞)がつくられます。精子や卵子のことを配偶子と呼んでいます。精子は雄性配偶子で卵子は雌性は配偶子ということになります。雄性配偶子と雌性配偶子が合体するのが受精であり、その結果受精卵ができます。そして、受精卵から胚ができていくのです。[何故、受粉しなければいけないのか」という質問への直接的な答えは、受粉しないと受精がおきず、したがって胚も、種子もできないということになります。ところで、植物の場合は、雄性と雌性の現れ方は種類によって異なっています。
植物の性は花で区別できます。多くの植物では、同じ花の中に雄しべと雌しべの両方がありますが(両性花といいます)、同じ個体で雄花と雌花と別々(単 性花といいます)につけるものもあります。また、雄花と雌花が別々の個体に出来る場合もあります。いずれの場合も、受粉があってはじめて受精がおこなわれます。なぜ雄しべと雌しべ、つまり雄性と雌性ができているのかということは、ちょっと難かしい問題なので、ここで簡単に説明できませんが、こんなふうに理解して下さい。生物は地球上で、その起原から長い長い進化の歴史のなかで、子孫の繁殖や生存にとって、より有利なさまざまな生物学的手段を獲得してきています。性の分化(雌性と雄性の出現)はその一つであると。マーボーくんが更にもっと生物学を勉強して行く中で、理解を深めることを期待しています。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-05-29
勝見 允行
回答日:2007-05-29