一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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原形質流動

質問者:   高校生   とみー
登録番号1276   登録日:2007-05-22
先日オオカナダモで原形質流動の観察を行い、それに関する考察をしたレポートを提出することになっています。そこで、疑問が浮かんだのですが葉緑体はすべて細胞壁にそって動いていましたが、なぜでしょうか。細胞壁付近にデンプンをエネルギー源にする器官があるということなのでしょうか?また、同じオオカナダモでも隣の細胞では葉緑体が動いていないのに、観察しているものは動いているということもありました。その葉緑体は光合成をしていないのでしょうか?その理由も教えていただきたいです。よろしくお願いします。
とみー様

みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡ともうします。原形質流動はその名前の通り、原形質が流れることです。葉緑体はその原形質の流れに乗って動いています。さて、流動ばかりに目をとられず、細胞全体を観察すると分かるのですが、オオカナダモの細胞の大部分は液胞に占められており、原形質は細胞壁に沿った所にしかありません。ですから、原形質流動は細胞壁に沿ったところでしか起きておらず、葉緑体も細胞壁に沿ったところ以外の場所には行けないのです。次に、観察している細胞では活発に原形質流動が起きているのに、隣の細胞では起きていないとのことでしたが、その原形質流動をしていない細胞を観察し続けてみて下さい。流動が始まる筈です。オオカナダモの細胞の原形質流動は光照射により引き起こされます。
顕微鏡で観察するためには光を当てなくてはなりませんので、観察をしていると動き出すのです。原形質流動についての質問はこれまでに幾つもこのコーナーに寄せられており、それらの質問また質問に対する回答も質問コーナーに載せられています。
登録番号0298 には流動がどのようにして起きるのかについても書かれています。参考にして下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-05-25
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