一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ブルーベリーの着果率が極端に悪い

質問者:   会社員   西垣
登録番号1277   登録日:2007-05-22
現在、自宅でブルーベリーを育てています。
品種はラビットアイ系の「ティフブルー」と「ホームベル」の2品種(各1本づつ)で、いずれも鉢に植えてから4年経ちます。

今年の開花時、互いの花粉を使って人工受粉させたところ、「ホームベル」の着果率は非常に高かったのですが、「ティフブルー」の着果率が非常に悪いという結果がでました(ティフブルーの着果率は10%を切っているのではないかと思われます)。ちなみに、人工授粉をさせたのは今年が始めてです。
「ティフブルー」の着果率が極端に悪かった原因について、手がかりを調べていたところ、こちらのHPに出会い、登録番号1175の回答中に「品種間での和合・不和合がある」こと、その一例として「梨の例」が挙げられていることを知りました。

そこで質問なのですが、
「ホームベル」の着果率が高かったのに対し「ティフブルー」の着果率が極端に悪かったのは、梨の例と同様に考えて「品種間での和合・不和合」が原因と考えれば良いのでしょうか?
もし、そうであるのなら、両品種との親和性が高い品種についても併せてご教示いただければ幸いです。
なお、今回のケースは、先の「梨の例」のような「2品種の双方が不和合性」というのではなく、「2品種のうち一方だけが不和合性」というパターンですから、そのようなケースはないのではないか?実は他のところに原因があるのではないか?とも考えております。
以上、ご助言をよろしくお願いいたします。
西垣様

お尋ねのブル-ベリーに関する質問に対して、長崎県果樹試験場 生産技術科の 林田 誠剛様から回答をいただきましたのでおくります。

ブルーベリーはラビットアイ系、ハイブッシュ系、野生種のローブッシュ系に分類され、ご質問にある「ホームベル」「ティフブルー」はラビットアイ系に属する品種です。一般にラビットアイ系はハイブッシュ系に比べ自家結実率が低いので、2品種以上を混植するか、他品種の花粉を人工受粉する必要があります。
ご質問のありました「ホームベル」と「ティフブルー」では開花期もほぼ同じで相互に親和性がありますので、「ティフブルー」の着果率が悪かった原因は「品種間での和合・不和合」ではなく、他の原因だと考えられます。
着果率が低かった原因としては、受粉に用いた「ホームベル」の花粉の発芽率が悪かったことも考えられますが、受粉後の土壌の乾燥も着果を悪くする原因となりますので、土壌が乾燥しやすいポット栽培では注意が必要です。

林田 誠剛(長崎県果樹試験場生産技術科)
 
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2007-05-29
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