質問者:
大学生
デコ
登録番号1302
登録日:2007-06-11
植物体が根からの養分吸収等を吸収について
早める為にはどうしたらいいのでしょうか??
今考えているのが土を藁などで覆い
温めることかなぁと考えているのですが・・・
デコ さま
根からの無機養分吸収についてのご質問ですが、植物は地上部で光合成を効率よく行って成長できるため14種の無機養分(イネなどではさらにSiも必要)を土壌から、適当な割合で吸収する必要があります。土壌(水)でのこれら無機養分の濃度は根の細胞中の濃度に比べ一般に低いため、無機養分の根の細胞への吸収にはエネルギーがATPの形で供給される必要があります。広い範囲の土壌から無機養分を吸収するため根の成長も必要であり、土壌中の無機養分のあるところまで根が伸びなければなりません。植物は無機養分のある方向に根が伸びる性質をもっています。根の伸張、無機養分吸収に必要なATPはミトコンドリアでの呼吸によって合成され、そのため根の周りに通気性があり、根の細胞への酸素の供給が必要です。農耕の「耕す」は、根に酸素を供給しやすくするための欠かせない技術です。水耕栽培のときも、培養液に常に空気を通気し、培養液を攪拌することが必要です。水の中での酸素分子の拡散速度は気体中に比べ一万分の一程度と低く、通気・攪拌しなければ拡散のみによって根に酸素を供給できないため、根の周りの培養液の酸素は呼吸によって使い尽くされた状態になりやすく、無機養分を効率よく吸収できなくなります。
ご質問のわらで土壌表面を覆うのは、土壌の凍結を防ぐ、保温、水分の蒸発を防ぐためなどに有効ですが、これが、どれだけ効果があるかはそのときの気温などの環境条件によります。
植物は地球上のそれぞれ異なった土壌環境で進化をしてきたため、植物の種類によって無機養分の吸収にとって好ましい土壌は異なります。雨の少ない地域は土壌のカチオンが流されていないためアルカリ性、日本のように雨の多い地域の土壌はカチオンが流されてしまっているため酸性になっています。それぞれの特性をもった土壌で植物はいろいろの方法で成長に必要な無機養分を吸収できる方法を進化させてきました。従って、土壌の性質と植物の種類との相性がよいことが必要であり、土壌改良(例えばpHの適正化など)も必要になってきます。これらについては、本質問コーナーでの質問登録番号0795, 登録番号1155, 登録番号1205, 登録番号1281の回答にこれらの問題点、解決法などがありますのでご覧下さい。
根からの無機養分吸収についてのご質問ですが、植物は地上部で光合成を効率よく行って成長できるため14種の無機養分(イネなどではさらにSiも必要)を土壌から、適当な割合で吸収する必要があります。土壌(水)でのこれら無機養分の濃度は根の細胞中の濃度に比べ一般に低いため、無機養分の根の細胞への吸収にはエネルギーがATPの形で供給される必要があります。広い範囲の土壌から無機養分を吸収するため根の成長も必要であり、土壌中の無機養分のあるところまで根が伸びなければなりません。植物は無機養分のある方向に根が伸びる性質をもっています。根の伸張、無機養分吸収に必要なATPはミトコンドリアでの呼吸によって合成され、そのため根の周りに通気性があり、根の細胞への酸素の供給が必要です。農耕の「耕す」は、根に酸素を供給しやすくするための欠かせない技術です。水耕栽培のときも、培養液に常に空気を通気し、培養液を攪拌することが必要です。水の中での酸素分子の拡散速度は気体中に比べ一万分の一程度と低く、通気・攪拌しなければ拡散のみによって根に酸素を供給できないため、根の周りの培養液の酸素は呼吸によって使い尽くされた状態になりやすく、無機養分を効率よく吸収できなくなります。
ご質問のわらで土壌表面を覆うのは、土壌の凍結を防ぐ、保温、水分の蒸発を防ぐためなどに有効ですが、これが、どれだけ効果があるかはそのときの気温などの環境条件によります。
植物は地球上のそれぞれ異なった土壌環境で進化をしてきたため、植物の種類によって無機養分の吸収にとって好ましい土壌は異なります。雨の少ない地域は土壌のカチオンが流されていないためアルカリ性、日本のように雨の多い地域の土壌はカチオンが流されてしまっているため酸性になっています。それぞれの特性をもった土壌で植物はいろいろの方法で成長に必要な無機養分を吸収できる方法を進化させてきました。従って、土壌の性質と植物の種類との相性がよいことが必要であり、土壌改良(例えばpHの適正化など)も必要になってきます。これらについては、本質問コーナーでの質問登録番号0795, 登録番号1155, 登録番号1205, 登録番号1281の回答にこれらの問題点、解決法などがありますのでご覧下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2007-06-25
浅田 浩二
回答日:2007-06-25