一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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固い葉のヨウ素デンプン反応について

質問者:   教員   souma
登録番号1310   登録日:2007-06-17
児童に校庭の様々な植物の葉について,(湯煎後)ヨウ素デンプン反応をさせてみました。固い葉を選んできたある児童が,変色しないことにいらだちピンセットで傷をつけたところ,その部分が青紫色に変色しているように見えました。そこで,アルコールを使っても,染め出し法を使ってもうまくいかなかったベニカナメモチ(この時期に,緑の葉も赤い葉も光合成をしていることを確認する教材として選択しました。)に予備実験で試したところ,やはり(ペット用ブラシを使って)ひっかいた所は,赤い葉も緑の葉も短時間で変色したように見えました。この傷つけるという方法は,私の見間違えでなく,本当に有効なのでしょうか。また,科学的に問題ないのでしょうか。問題がなければ,次回の発展学習で実施してみたいと考えておりますので,ご回答をよろしくお願い致します。
Souma 様

授業で「光合成によるデンプンの形成」を取り扱う季節のようですね。
熱処理した葉で、ピンセットなどで傷つけた部分にヨウ素デンプン反応によると思われる色が観察されるとのこと、呈色が青紫色であれば間違いではないものと思います。しかし、呈色は不安定なようですね。小学生に経験させるには、熱エタノール処理などによる色素やワックス抽出のための前操作を工夫し、明瞭な結果が得られるようにされるのが良いのではないでしょうか。小学生には典型的な例を示してあげるのが重要だと思いますので、簡単にデンプンが検出できる材料について、アルミフォイールや写真のネガフィルムを利用するなどして、照射する光の強さや照射時間(或いは、暗黒時間)の影響などについて詳しく調べてみるのも面白いのではないでしょうか。異なる植物材料では、デンプンの蓄積量の差異に加えて、色素抽出の容易さに差異がありますので、生徒に曖昧な印象を残すことがないように工夫されることをお勧めします。
なお、本コーナーには、緑葉のヨウ素デンプン反応を取り扱ったQ&Aが多数ありますのでご参考にして下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2007-06-25
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