一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の維管束をつなぐ「わっか」に名前はありますか?

質問者:   中学生   PEN5512
登録番号1313   登録日:2007-06-18
 こんにちは。今植物の勉強をしています。
 維管束の勉強をしていて、ふっと思いました。
 教科書の図で、(双子葉植物の茎) 維管束が並んでまるくなっています。
 維管束が、まるくならぶのは わかったのですが、これをつないでいる線があります。
 「これは、なにか特別なものなのかな。名前はついているのかな。」
 と、疑問に思いました。
 
 お答えを、待っております。
 どうもありがとうございます。よろしくおねがいします。

 
PEN5512君

みんなの広場へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡と申します。植物の維管束をつなぐ「わっか」は形成層のつもりだと思います。もう少し詳しくいうと、維管束間形成層のつもりです。茎が若い時には維管束間形成層はまだ発達していないので、若い茎の横断面図を描く時にはこの「わっか」を描く必要はありません。というより、描くと間違いです。若い間は形成層は維管束の中にあり、維管束内形成層と呼ばれています。形成層の細胞は盛んに細胞分裂を行い、外側に篩部(教科書では師部と呼んでいると思いますが、ふるい管は、その中に篩のような仕切りがあるのでつけられた名前ですので、篩部と呼ぶ方が性質をよく表していると思います)、内側に木部の細胞を送りだしています。茎が発達してくると形成層は維管束と維管束の間にも現れ、細胞分裂を行い、茎を太らせるのに働きます。形成層は樹木にもあります。樹皮のすぐ内側にあって、その内側に木部、外側に篩部を作っています。形成層の細胞は若くて柔らかく美味しいらしく、クマの好物です。樹皮を剥がして形成層を食べます。形成層を食べられると木は死んでしますので、木を育てる人はクマに樹皮が剥がされないよう苦労をしています。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-06-19
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