一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ネアンデルタール人の愛した菊

質問者:   自営業   かおり かおる
登録番号1322   登録日:2007-06-27
ネアンデルタール人がシャニダールの洞窟に死者を葬った時にヤグルマギクやノボロギクを手向けたとされています。また、菊は昔の種類には倍数体の小さいものが多いことが知られています。いくら調べても、今述べた菊の倍数体についてかいてるものが分かりません。ヤグルマギクとノボロギクの倍数体を知ってる型がいたらお教えください。また、バラについても同じようなことがいえるのでしょうか お教え下さい。
かおり かおる様

みんなの広場へのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を大阪市大付属植物園園長の岡田 博先生にお願いいたしましたところ、以下のような回答をお寄せ下さいました。参考文献なども紹介して下さっておられますので、回答のほか、そのようなものも参考にして下さい。

岡田先生のご回答
ヤグルマギク(Centaurea cyanus)は2n=24です。この属の染色体基本数は8か9のようです。ヤグルマギクは3倍体かもしれません。ノボロギク(Senecio vulgaris)は2n=40です。この属の基本数は10です。ノボロギクは4倍体です。染色体数については非常に専門的な本にアトラスとして載っています。現在でも何年かに1度その何年間に世界中で論文の形で報告されたものを収録した印刷物がアメリカのミズーリ植物園から出ています。
「昔」という概念がいつごろのこと、あるいはどのようなことを考えておられるのかわかりませんが、いずれにしても倍数性とある進化傾向とはいろいろあって、一概にはいえません。ただ、倍数性の低いものの方が古くからあっただろう、ということはいえます。日本の野性のキク属(ノジギクなど)は2倍体から10倍体まであります。
バラについては質問の意味が品種の改良には倍数性の低いものから高いものへの変化が伴っているのか、ということでしょうか。
バラの品種群がどのような野生のバラ属から作られていったのかがわからないので、お答えできません。
単なる推測ですが、多分あまり関係ないと思います。

岡田 博(大阪市大付属植物園園長)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-07-12
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