質問者:
大学院生
ひでのり
登録番号1351
登録日:2007-07-24
植物の勉強をしていく中で乾物重量という単語が出てきたのですが,乾物重量とは具体的に何でしょうか?(過去の質問・回答に乾物重量という単語が出てきました)乾物重量とは?
また,その乾物重量は計算で求めることができるのでしょうか?
ひでのり さん:
日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。乾燥重量(乾物重量)とは何かというご質問ですが、この言葉が示すそのものです。植物に限らず生物には大量の水が含まれています。植物は、光合成によって二酸化炭素を固定して糖を合成し、さらに合成した糖と根で吸収した無機栄養素とからタンパク質、脂質をはじめとするすべての生体成分を合成して成長しています。このとき大量の水も吸収して重量(新鮮重量あるいは生重量)を増しています。新鮮重量は、実際に生産、蓄積した物質の重さと吸収した水の重さの合計になります。そこで、植物が実際に生産、蓄積した物質の重さを知るために資料を乾燥して水を除いた後の重さを計測します。これを乾燥重量と言います。ふつうの植物材料であれば、適当な大きさに切断し、まず新鮮重量を測定します。その後、ふつうは摂氏80度から90度の乾燥器内に10時間から12時間放置して水分をのぞき、常温に戻して重量を測定します。乾燥時間は組織の形状によって異なりますので、重量が乾燥時間を長くしても変化しないところで乾燥は完了したと判断します。組織の水分含量は新鮮重量と乾燥重量から計算します。新鮮重量は増加するのに乾燥重量は減少するという場合もあります。もやしがその例です。種子を発芽成長させたもやしでは新鮮重量は種子の重量より重くなりますが、乾燥重量は減少しています。もやしは光合成をしていませんので二酸化炭素の固定もなく、水だけしか供給しないので栄養塩の蓄積もないため、種子内の蓄積成分を消費して成長(一般には新鮮重量の増加)するためです。
日本植物生理学会 みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。乾燥重量(乾物重量)とは何かというご質問ですが、この言葉が示すそのものです。植物に限らず生物には大量の水が含まれています。植物は、光合成によって二酸化炭素を固定して糖を合成し、さらに合成した糖と根で吸収した無機栄養素とからタンパク質、脂質をはじめとするすべての生体成分を合成して成長しています。このとき大量の水も吸収して重量(新鮮重量あるいは生重量)を増しています。新鮮重量は、実際に生産、蓄積した物質の重さと吸収した水の重さの合計になります。そこで、植物が実際に生産、蓄積した物質の重さを知るために資料を乾燥して水を除いた後の重さを計測します。これを乾燥重量と言います。ふつうの植物材料であれば、適当な大きさに切断し、まず新鮮重量を測定します。その後、ふつうは摂氏80度から90度の乾燥器内に10時間から12時間放置して水分をのぞき、常温に戻して重量を測定します。乾燥時間は組織の形状によって異なりますので、重量が乾燥時間を長くしても変化しないところで乾燥は完了したと判断します。組織の水分含量は新鮮重量と乾燥重量から計算します。新鮮重量は増加するのに乾燥重量は減少するという場合もあります。もやしがその例です。種子を発芽成長させたもやしでは新鮮重量は種子の重量より重くなりますが、乾燥重量は減少しています。もやしは光合成をしていませんので二酸化炭素の固定もなく、水だけしか供給しないので栄養塩の蓄積もないため、種子内の蓄積成分を消費して成長(一般には新鮮重量の増加)するためです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-07-26
今関 英雅
回答日:2007-07-26