質問者:
小学生
あつ
登録番号1359
登録日:2007-07-28
オクラの花は、アサガオのように朝咲きます。アサガオの花が咲く時刻は、日没の時刻に関係があるようですが、オクラの花は、どうも違うようです。日没を遅らせるために白熱電球を照射しても、日の出を遅らせるために朝まで段ボールをかぶせておいても、いつもと変わらない時刻に花が咲いていました。オクラは、花が咲く時刻をどのように決めているのでしょうか。
みんなのひろば
オクラの花がさく時刻
あつ君
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。いただいたご質問の回答を花がさくことについてのご研究をなさっておられる新潟大学の和田清俊先生にお願いいたしましたところ以下のようなお答えを返して下さいました。このお答えを参考にして、観察を続けて下さい。
あつ君、
オクラが花を咲かせる時刻をどのように決めているかは、私も知りません。たぶん、だれも知らないのではないでしょうか。植物が花を咲かせる時刻をどのように決めているかについて、よく研究されているのは、アサガオとオオマツヨイグサです。これらの植物では、基本的に、自分の持っている生物時計(体内時計という言い方をすることもあります)で時刻をはかって、アサガオなら明け方、オオマツヨイグサなら夕方に花を咲かせています。この生物時計のはたらきのほかに、明るさや温度も影響します。アサガオもオオマツヨイグサも、花が開くはずの時刻は暗いので、観察のために明かりをつけておくと、光の影響で咲かなくなってしまいます。また、その日の気温によっても、少し早く咲いたり、遅れて咲いたりもします。
オクラも、おそらく、同じようなしくみで、花を咲かせる時刻を決めているのだと思います。あつ君は、すでに、白熱電球の光を照射して日没を遅らせたり、段ボールをかぶせて日の出を遅らせたりする実験をして、こうしても、花が咲く時刻はいつもと変わらないということでしたね。もし、日没や日の出の時刻を実験的に変えても、開花の時刻が変わらないのならば、オクラの開花には光は関係ないのでしょう。生物時計のはたらきだけで開花の時刻が決まるのかもしれません。でも、この実験をするとき、温度は一定にしましたか?もし、温度を調節しなっかたのならば、光を照射しても、段ボールをかぶせても、それらとは関係なく、朝の気温になると咲くのかもしれません。また、光を照射したり、段ボールをかぶせたのは1日だけではないですか?
本当に生物時計のはたらきで花が咲く時刻が決まるかどうかを調べるならば、3日でも、4日でも、ずっと光を当てつづけたり、ぎゃくに、まっ暗にしつづけたりして、それでも、毎日、同じ時刻に咲くかどうかを調べる必要があります。まっ暗にしつづけて、いつ花が咲くかを調べるのは少しむずかしいのですが。
ところで、あつ君は、どうして、日没や日の出の時刻を変えてみようと考えたのですか?この実験をする前に、くわしい観察はしましたか?オクラの花は朝咲きますが、朝の何時ころか、そして、その時刻はいつでも同じなのか、それとも、毎日、少しずつ変わってゆくのか、観察しましたか?もし、オクラの開花時刻が日没の時刻や、朝の気温によって決まるのならば、長い間、観察をつづければ、季節の変化とともに、開花時刻は少しずつ変化してゆくはずです。このように、実験をする前に、まず、じっくり観察をすることが大事です。じっくり観察をつづけていると、だいたいのことがわかってきて、もしかしたら、オクラの開花は日没の時刻で決まっているのではないかとか、朝の気温で決まっているのではないかと予想することができます。予想ができたら、その予想が正しいかどうかを確かめるために、実験をするのです。
たぶん、オクラが花を咲かせる時刻をどのように決めているのかは、だれも知らないでしょう。あつ君がいろいろと観察や実験をして、そのしくみをときあかすことができれば、それは新発見かもしれません。でも、新発見をするというのは、なかなか簡単なことではありません。あせらず、いそがず、じっくりと研究を進めて下さい。
和田 清俊(新潟大学)
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。いただいたご質問の回答を花がさくことについてのご研究をなさっておられる新潟大学の和田清俊先生にお願いいたしましたところ以下のようなお答えを返して下さいました。このお答えを参考にして、観察を続けて下さい。
あつ君、
オクラが花を咲かせる時刻をどのように決めているかは、私も知りません。たぶん、だれも知らないのではないでしょうか。植物が花を咲かせる時刻をどのように決めているかについて、よく研究されているのは、アサガオとオオマツヨイグサです。これらの植物では、基本的に、自分の持っている生物時計(体内時計という言い方をすることもあります)で時刻をはかって、アサガオなら明け方、オオマツヨイグサなら夕方に花を咲かせています。この生物時計のはたらきのほかに、明るさや温度も影響します。アサガオもオオマツヨイグサも、花が開くはずの時刻は暗いので、観察のために明かりをつけておくと、光の影響で咲かなくなってしまいます。また、その日の気温によっても、少し早く咲いたり、遅れて咲いたりもします。
オクラも、おそらく、同じようなしくみで、花を咲かせる時刻を決めているのだと思います。あつ君は、すでに、白熱電球の光を照射して日没を遅らせたり、段ボールをかぶせて日の出を遅らせたりする実験をして、こうしても、花が咲く時刻はいつもと変わらないということでしたね。もし、日没や日の出の時刻を実験的に変えても、開花の時刻が変わらないのならば、オクラの開花には光は関係ないのでしょう。生物時計のはたらきだけで開花の時刻が決まるのかもしれません。でも、この実験をするとき、温度は一定にしましたか?もし、温度を調節しなっかたのならば、光を照射しても、段ボールをかぶせても、それらとは関係なく、朝の気温になると咲くのかもしれません。また、光を照射したり、段ボールをかぶせたのは1日だけではないですか?
本当に生物時計のはたらきで花が咲く時刻が決まるかどうかを調べるならば、3日でも、4日でも、ずっと光を当てつづけたり、ぎゃくに、まっ暗にしつづけたりして、それでも、毎日、同じ時刻に咲くかどうかを調べる必要があります。まっ暗にしつづけて、いつ花が咲くかを調べるのは少しむずかしいのですが。
ところで、あつ君は、どうして、日没や日の出の時刻を変えてみようと考えたのですか?この実験をする前に、くわしい観察はしましたか?オクラの花は朝咲きますが、朝の何時ころか、そして、その時刻はいつでも同じなのか、それとも、毎日、少しずつ変わってゆくのか、観察しましたか?もし、オクラの開花時刻が日没の時刻や、朝の気温によって決まるのならば、長い間、観察をつづければ、季節の変化とともに、開花時刻は少しずつ変化してゆくはずです。このように、実験をする前に、まず、じっくり観察をすることが大事です。じっくり観察をつづけていると、だいたいのことがわかってきて、もしかしたら、オクラの開花は日没の時刻で決まっているのではないかとか、朝の気温で決まっているのではないかと予想することができます。予想ができたら、その予想が正しいかどうかを確かめるために、実験をするのです。
たぶん、オクラが花を咲かせる時刻をどのように決めているのかは、だれも知らないでしょう。あつ君がいろいろと観察や実験をして、そのしくみをときあかすことができれば、それは新発見かもしれません。でも、新発見をするというのは、なかなか簡単なことではありません。あせらず、いそがず、じっくりと研究を進めて下さい。
和田 清俊(新潟大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-10
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-10