一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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マツの葉の裏と表

質問者:   小学生   Chi
登録番号1360   登録日:2007-07-30
最近、木の葉に興味を持ち、公園でいろいろな木の葉を拾って観察しています。図鑑などを読んで、木の葉には表と裏があって、表は緑色で日光が当たる側、裏は少し白っぽく見える側だということがわかりました。

そこで質問です。マツの葉に裏と表の区別はあるのでしょうか?
昨日公園に行き、マツの葉を見てみたところ、断面は丸ではなく、半円のような形になっているところまではわかりました。でも、どの方向から見ても、同じような色だったので、裏と表の区別が付きませんでした。
マツの葉に裏と表はあるのでしょうか? 
また裏と表があるとすると、どうやって裏と表を区別できるのでしょうか?

僕が持っている図鑑には載っていなかったので、教えてください。
よろしくお願いします。
Chiくん

みんなの広場への質問ありがとう。マツの葉の断面が丸ではなくて半円であることに気付かれたそうですが、なかなかの観察眼の持ち主ですね。普通に見られるマツは二葉ですが、マツの仲間には三葉のマツや五葉のマツがありますので、そんなマツの葉の断面も観察すると面白いですよ。さて裏表ですが、外から眺めただけでは裏表がはっきりしない葉を等面葉と呼んでいます。身近なものではマツバボタンの葉なども等面葉です。外から眺めただけでは裏表が分からない等面葉にも裏表はあります。断面を顕微鏡で観察すると分かるのです。道管とかふるい管とか、あるいは木部とか篩部とかという言葉は習いましたか。道管は根で吸った水や養分を茎や葉に運ぶための管で、道管のある部分を木部といいます。またふるい管は葉で合成した糖などを運ぶ管で、ふるい管のある部分を篩部といいます。木部と篩部はくっ付いており、茎では木部が内側、篩部が外側にあります。茎の木部も篩部も葉の中まで伸びています。くっ付いて並んだままで茎から葉の中にはいるとどうなるでしょう。そう、木部が上側、篩部が下側になります。葉の裏表がよく分かる葉ですと、表側に木部、裏側に篩部ということになるわけです。等面葉の裏表もこの木部と篩部の並び方で分かるのです。つまり木部のある側が表、篩部のある側が裏ということです。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-06
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