質問者:
会社員
肥料屋の鈴木
登録番号1368
登録日:2007-08-02
登録番号みんなのひろば
トマトの節間長は均一でない
1265のQ&Aを拝読した後、以前トマトの節間長を計測したデータを見直したところ、トマトの節間長と花軸の位置との間に以下のような法則性があることに気が付きました。
即ち、トマトの節間長を下から上に並べてみると、花軸が着生している節間が明らかに間伸びしているのです。具体的には、トマトの第8葉と9葉の間の節間に1段目の花軸が着生しますが、その部位の節間長は下位のいずれの節間長より長くなっています。2段目の花軸は、葉3枚を挟んで第11葉と12葉の間の節間に着生しますが、その節間長は同様に上下の節間より長くなっています。
この現象については、花軸より下の葉の光合成で産生された糖分等が花房に向けて転流され集まって来るため、花軸が着生している節間の茎の縦生長が派生的に増長されることによる、と考えたのですが如何でしょうか?
それとも、登録番号0424のQ&Aで柴岡アドバイザーが論じられておられますように、何らかの器官間の競合によるものなのか、植物ホルモンのバランスの違いに原因しての現象なのか、ご教授下さい。
即ち、トマトの節間長を下から上に並べてみると、花軸が着生している節間が明らかに間伸びしているのです。具体的には、トマトの第8葉と9葉の間の節間に1段目の花軸が着生しますが、その部位の節間長は下位のいずれの節間長より長くなっています。2段目の花軸は、葉3枚を挟んで第11葉と12葉の間の節間に着生しますが、その節間長は同様に上下の節間より長くなっています。
この現象については、花軸より下の葉の光合成で産生された糖分等が花房に向けて転流され集まって来るため、花軸が着生している節間の茎の縦生長が派生的に増長されることによる、と考えたのですが如何でしょうか?
それとも、登録番号0424のQ&Aで柴岡アドバイザーが論じられておられますように、何らかの器官間の競合によるものなのか、植物ホルモンのバランスの違いに原因しての現象なのか、ご教授下さい。
肥料屋さん
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。またみんなの広場を広くご利用下さっておられるようで、関係者としては嬉しい限りです。ご質問の中に私の以前の回答が引用されているということで、この度のご質問を扱わせて頂くことになりました。
疑問に対して仮説を立てることは、疑問を解く第一歩で、とても重要なことですが、今回の仮説はどうも当たらなかったようです。茎の伸長に光合成産物は必要ですが、供給される光合成産物の量によって茎の伸長が左右されるということはありません。たとえば光合成が十分に行える日当たりの良い場所に生えている植物の茎は短く、光合成が十分に行えない日当たりの悪い場所に生えている植物の茎はひょろひょろと長くなります。花枝の付いている節間が長いのは、トマトを含めたナス科の植物の軸の伸び方によるものと思います。一般の植物の花の付き方と、トマトの花の付き方を比較されたことがあるでしょうか。一般の植物の場合、花は葉腋(葉の付け根)に付きますが、トマトの場合、花(花枝)の付け根を見ても葉はありません。一般の植物では葉腋にできた芽(腋芽)が伸びた枝に付くのですが、トマトの場合、花枝は枝ではなくて、主軸だと考えられています。主軸の先端に花ができ、最初の主軸はそこで止まってしまったということです。それでは一見主軸のつながりのように見えるのは何かと云うことですが、花枝の根元にある葉の腋芽が伸びた枝だと云うことです。花枝の根元にある葉の葉柄はこの枝に沿って(枝と癒合して)伸び、一見、花枝の上の節と思われている場所で、枝と離れます。ですから花枝の付いていると思われている節間は普通の節間の2本分に当たることになり、長くて当たり前ということになります。
繪を書かずに説明するのはとても難しいのですが、もし熊沢正夫著「植物器官学」(裳華房)が図書館ででも見られるのでしたら、9.茎の分枝型の9.6.異説ある分枝型を見て下さい。
みんなの広場へのご質問ありがとうございました。またみんなの広場を広くご利用下さっておられるようで、関係者としては嬉しい限りです。ご質問の中に私の以前の回答が引用されているということで、この度のご質問を扱わせて頂くことになりました。
疑問に対して仮説を立てることは、疑問を解く第一歩で、とても重要なことですが、今回の仮説はどうも当たらなかったようです。茎の伸長に光合成産物は必要ですが、供給される光合成産物の量によって茎の伸長が左右されるということはありません。たとえば光合成が十分に行える日当たりの良い場所に生えている植物の茎は短く、光合成が十分に行えない日当たりの悪い場所に生えている植物の茎はひょろひょろと長くなります。花枝の付いている節間が長いのは、トマトを含めたナス科の植物の軸の伸び方によるものと思います。一般の植物の花の付き方と、トマトの花の付き方を比較されたことがあるでしょうか。一般の植物の場合、花は葉腋(葉の付け根)に付きますが、トマトの場合、花(花枝)の付け根を見ても葉はありません。一般の植物では葉腋にできた芽(腋芽)が伸びた枝に付くのですが、トマトの場合、花枝は枝ではなくて、主軸だと考えられています。主軸の先端に花ができ、最初の主軸はそこで止まってしまったということです。それでは一見主軸のつながりのように見えるのは何かと云うことですが、花枝の根元にある葉の腋芽が伸びた枝だと云うことです。花枝の根元にある葉の葉柄はこの枝に沿って(枝と癒合して)伸び、一見、花枝の上の節と思われている場所で、枝と離れます。ですから花枝の付いていると思われている節間は普通の節間の2本分に当たることになり、長くて当たり前ということになります。
繪を書かずに説明するのはとても難しいのですが、もし熊沢正夫著「植物器官学」(裳華房)が図書館ででも見られるのでしたら、9.茎の分枝型の9.6.異説ある分枝型を見て下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-06
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-06