一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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花の色の変化の理由

質問者:   中学生   カメ
登録番号1370   登録日:2007-08-05
スイフヨウやスイカズラ、バラの品種の一つであるチャールストンなど、色が変化する花はたくさんあります。アサガオやアジサイなどの変色の理由は分かっているのですが、上記のような花の変色の理由が紫外線によるものなのか、時間の経過とともに花が劣化していることによるものなのか、気温によるものなのか、その他の理由によるものなのか、知りたいです。また、その調査方法があれば教えていただきたいのですが...。
カメ さん:

お待たせしました。バラの花の色変わりについて名古屋大学の吉田久美先生にうかがいました。咲いた後、花の色を変える植物はたくさんありますが、そのすべてについて研究が進んでいるわけではありませんので、個々の植物や品種についての回答は大変難しいものです。他の事例などを参考にして推測することになります。参考にして下さい。

ご質問いただき、ありがとうございます。
スイフヨウは、白色の花が夕方赤くなってきます。酔っぱらったように見えるので、酔芙蓉と書きます。ご存じのように、これはアントシアニンの生合成が、午後以降急速に進むためであり、温度が25度以上だと進みますが、低温だとあまり合成されないこと、および紫外線には影響されないことが判っています。
バラ(チャールストン)の黄色は、多分フラボノイド系色素の濃度が高いためか、オーロン系色素またはカロテノイド系色素によると思います。これも、花が開くにつれ、組織の老化や紫外線の影響と思いますが、アントシアニンが生合成されて赤色になっていくものと思います。
それぞれ、花に光をあてて低温に置く、温度を一定にして暗所に置くといった実験で調べることができるかと思います。また、光源に蛍光灯、白熱電灯など、あるいは紫外線の影響だけを見たい場合には、紫外線をカッ トする農業用フィルムなどを利用して、何が大きな原因になるのかを工夫して調べて下さい。

吉田 久美(名古屋大学大学院)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-08-24
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