一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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朝顔はなんでほかの花と違うの?

質問者:   中学生   剣道
登録番号1371   登録日:2007-08-06
私は理科の授業で植物について学習しました。その中で、花の特徴に興味を持ちました。そして夏休み実際調べようと思いました。でも図書館の本は難しいし、インターネットでは答えが出てきませんでした。
なぜ朝顔は朝にしか咲かないのか、1日中咲く花と何が違うのか、教えてください。
剣道さま

みんなの広場へのご質問ありがとうございました。実はアサガオの花が咲く時刻はどうして決められているのかについての質問を最近いただき、答は書かなかったのですが、観察のヒントのようなものを書きました。登録番号1349ですので、それを見て下さい。剣道さんの質問の中にはアサガオの花の命が短いことについての質問も含まれていますので、それに関することを書いてみます。アサガオだけでなくすぐにしおれる花は多いのです。道ばたで見かけるツユクサも夜明けに咲いて昼前にしぼんでしまいます。朝露のようだということでツユクサの名前がついています。夕方の4時頃に咲くということで、オシロイバナは英語で four o'cklock と呼ばれていますが、翌日の午前中にはしぼんでしまいます。宵を待って咲くマツヨイグサ(待宵草)や夕方に咲くユウスゲも翌日の午前中にはしぼんでしまいます。ユウスゲに近い仲間のヤブカンゾウは昼間しか咲かないので day lily と呼ばれています。綺麗な花は花粉を運んでくれる昆虫を引き寄せるために咲くと云われています。ですから花粉を運んでもらった後、花びらは不要になります。植物は不要になったからと云って、花びらをそのまま捨てるようなもったいないことはしません。花びらの中のまだ使えるものを回収し再利用するのです。受粉が終わった後、花びらの細胞の中にあったタンパク質や核酸や脂質を分解して花びらから運び出すのです。タンパク質や核酸や脂質を分解すれば細胞は死ぬので、花びらはしおれてしまいます。花びらのしおれを引き起こすのはエチレンと呼ばれる植物ホルモンです。咲いてからすぐにしおれる花と、比較的長生きする花では、このエチレンが作られる時期に違いがあるからだと思われますが、その違いがどのようにして生じているのかはまだよく分っていません。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2007-08-13
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