質問者:
中学生
中学生 染色研究
登録番号1391
登録日:2007-08-22
数年間、植物染色の自由研究をしています。去年、アカネの根から何度も染色液を取り出したら、その色が赤からオレンジ色に変わりました。そのほかにも、同じ植物をいろいろな種類の布で染めたら、微妙に色が変わりました。もしかしたら、布によって植物の中のいくつもの色素に染まりやすいもの、染まりにくいものがあって、染まった布から色素を抽出できたら、絹はこんな色素で染まり、綿はこの色素しか染まらなかったと研究が出来ないかと考えています。染色した布を何かに漬けて、色素を取り出しその抽出液をペーパークロマトグラフィーで色素分離してみたいと思っています。直に植物からペーパークロマトグラフィーをすればいいのにとか、何かまどろっこしい研究に思われるかもしれませんが、自分でやってみたいと思った研究なのでなんとか実行したいのです。みんなのひろば
染色した布を使って植物色素を取り出してみたい
そこで、質問なのですが
1.布から色素を抽出するための抽出液は何がいいでしょうか?
2.ペーパークロマトグラフィーの専用の用紙以外に使えるものはないでしょうか?
3.展開する液は何がいいでしょうか?
以上
中学生で一人で扱える物があれば助かります。
色々クロマトについて調べると、難しい液体の名前が出てきて、薬局でもそろえませんでした。やはり、それらを使わないと出来ないのでしょうか。
中学生 染色研究 さま
アカネの色素によって染色した布からの色素抽出の方法、ペーパークロマトグラフィーとその展開液についてのご質問ですが、植物の色素について多方面から、詳しく解析をされておられる、名古屋大学大学院情報科学研究科の 吉田 久美 先生から次の解説を頂きましたので、これを参考にして植物色素の理解を深めて下さい。ペーパークロマトグラフィーについては本質問コーナーの登録番号1178の回答もご覧下さい。
ご質問いただき、ありがとうございます。
茜にはいわゆるアカネと西洋アカネがあり、いずれも根の色素を染色に用います。
アカネの色素はプソイドプルプリン誘導体で、染色裂からの抽出には熱水が適当と思います。西洋アカネの色素はアリザリンで、水には溶けない色素です。そのため、こちらの色素の布からの抽出には、アルコールやエーテルといった有機溶媒がよいようです。
布を染めるとき、プソイドプルプリンだけでは黄色、媒染剤(通常は何らかのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、昔は灰を用いた)を用いると赤くなります。アリザリンの、アルコール抽出液は黄色ですが、水酸化ナトリウム酢溶液を加えると赤くなります。
ペーパークロマトグラフィーには、濾紙を用いるのが普通です。私自身は試した事はありませんが、コーヒーのフィルターペーパーか、油を濾すフィルターペーパーならできるかも知れません。色素の展開液として、水飽和ブタノール、ブタノール-酢酸-水、あるいは、塩酸-エタノール-水がよく用いられます。中学校の理科室にはあるのではないでしょうか?
吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科)
アカネの色素によって染色した布からの色素抽出の方法、ペーパークロマトグラフィーとその展開液についてのご質問ですが、植物の色素について多方面から、詳しく解析をされておられる、名古屋大学大学院情報科学研究科の 吉田 久美 先生から次の解説を頂きましたので、これを参考にして植物色素の理解を深めて下さい。ペーパークロマトグラフィーについては本質問コーナーの登録番号1178の回答もご覧下さい。
ご質問いただき、ありがとうございます。
茜にはいわゆるアカネと西洋アカネがあり、いずれも根の色素を染色に用います。
アカネの色素はプソイドプルプリン誘導体で、染色裂からの抽出には熱水が適当と思います。西洋アカネの色素はアリザリンで、水には溶けない色素です。そのため、こちらの色素の布からの抽出には、アルコールやエーテルといった有機溶媒がよいようです。
布を染めるとき、プソイドプルプリンだけでは黄色、媒染剤(通常は何らかのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、昔は灰を用いた)を用いると赤くなります。アリザリンの、アルコール抽出液は黄色ですが、水酸化ナトリウム酢溶液を加えると赤くなります。
ペーパークロマトグラフィーには、濾紙を用いるのが普通です。私自身は試した事はありませんが、コーヒーのフィルターペーパーか、油を濾すフィルターペーパーならできるかも知れません。色素の展開液として、水飽和ブタノール、ブタノール-酢酸-水、あるいは、塩酸-エタノール-水がよく用いられます。中学校の理科室にはあるのではないでしょうか?
吉田 久美(名古屋大学大学院情報科学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2012-08-25
浅田 浩二
回答日:2012-08-25