一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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切花の延命剤について

質問者:   会社員   ステップ
登録番号1409   登録日:2007-08-28
小学6年になる子供の自由研究でガーベラの切花を6本用意し、それぞれ水のみ、砂糖20g、50g、塩20g、市販の延命剤5ml、10mlと分け、日持ちの研究を行いましたが、もちろん食塩水のガーベラが最初に枯れました。
 で、今回の質問ですが、なぜ食塩水が早く枯れたのかのコメントが中々調べてもわからず、簡単でいいのですが教えていただければ有難いのですが・・・
 宜しくお願いいたします。
ステップ さん

ヒトを含め動物は食塩(塩化ナトリウム)を必ず摂取する必要がありますが、同じ陸上で生きている植物にとって、塩化ナトリウムは必要でないばかりでなく、今回見られたようにガーべラを枯らせてしまいます。一般に陸上植物にとって塩化ナトリウムはこのように、害作用が大きく、海水がかかるとたいていの作物は枯死します(塩害)。

なぜ、塩化ナトリウムが植物に対し害作用をするかについて、本質問コーナーの登録番号0126、登録番号0894、登録番号1048の回答に詳しく述べられていますのでご覧下さい。塩化ナトリウムは水の中ではナトリウム・イオンと塩素・イオンに分かれ(解離し)ますが、植物にとってナトリウム・イオンが害作用をすること、塩素・イオンは余り植物に対し害作用を示さないことが明らかになっています。植物はナトリウムの代わりにカリウムが生育にために絶対に必要ですが、なぜ、植物がナトリウムを利用できないのかは、簡単には解決できない問題です。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2007-08-28
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