一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の養分吸収

質問者:   会社員   yuu
登録番号1446   登録日:2007-10-21
植物は、根から養分吸収を行うためにエネルギーを必要としますが、そのエネルギーは根の呼吸から得たエネルギーを使うと聞きました。地上部の呼吸でできたエネルギーは、使わないのでしょうか?もし、使うとしたら地上部の呼吸でできたエネルギーと根の呼吸でできたエネルギーは、どのくらいの割合で使われるのでしょうか
Yuu さん

本コーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございました。
根の細胞が周りの環境から養分を吸収するためには、ATP(アデノシン三リン酸)に含まれる化学エネルギーなどのエネルギーが必要で、これは、直接的には、それぞれの細胞の営む呼吸などの過程によって供給されます。呼吸の過程が進行するためには、基質となる有機化合物の供給が必要で、この有機化合物は葉などの地上部で行なわれる光合成によって作り出されます。光合成の過程では、太陽の光エネルギーが有機化合物の合成に利用されます。光合成により作られる有機化合物は、ショ糖などの形で篩管を通って根の細胞にまで輸送され、そこで細胞の活動に必要なエネルギー源として使われます。したがって、間接的、また、最終的には、根における養分吸収に使われるエネルギーは、すべて地上部で取り込まれた太陽の光エネルギーと言うことになります。葉などの地上部は活発に呼吸をしますが、この過程で遊離されるエネルギーは、それぞれの細胞の活動に利用されます。

以上、簡単な回答になりましたが、ご参考にして下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2007-11-01
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