山本正志さま

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。担当の柴岡と申します。まず、気孔が塞がれたら植物はどうなるのかと云う問いにお答えします。葉は光合成に必要な炭酸ガスを気孔を通して取り入れていますので、気孔が塞がれると光合成ができなくなります。植物は生活のためのエネルギーを光合成に依存していますので、光合成ができなくなれば生きて行く事はできなくなり死んでしまいます。カワウのフンだけでなく養鶏所のニワトリのフンも風に運ばれて近所の林に悪い影響を与えているようです。フンによる害は気孔を塞ぐことによるものだけでなく、気孔を塞がなくても植物に害を与えます。塩害という言葉を聞かれた事があると思います。台風などによって海水が植物にかかると、植物は枯れてしまいますが、フンの中には食塩を始めいろいろな物質が含まれていますので、フンは塩害と同じような害を植物に与えます。群落の場合、フンの害はもっと複雑です。和歌山県、田辺湾の沖に浮ぶ天然記念物の神島（かじま）の植物もカワウのフンの害に遭っていますが、島の木々がフンによって害されただけでなく、下草がフンに埋もれて枯れて腐り、その結果か昆虫の大発生、それに次ぐネズミ大発生と生態系を大きく変える変化が起きたそうです。神島付近にカワウの大群が押し寄せた原因は近くの海の汚染によるものと云われており、自然を大切にしなかったツケは我々の予想を超えて我々に降り掛かってくるようです。