質問者:
会社員
yunta
登録番号1450
登録日:2007-10-26
酢大豆を作ったときに、黒大豆によって液の色が黒くなるものとあまり黒くならないものがあります。(黒大豆以外の条件は同じです)黒大豆の品種の違いや生育環境によって色素の成分が違うなどの理由でしょうか。また、液に出る色素が濃いほどアントシアニンが多いということがあるでしょうか。
みんなのひろば
酢大豆の色(黒大豆の色素)について
yunta さま
酢大豆は炒った大豆に酢を加え、さらに甘味料などを加えた食品ですが、これに黒大豆を使ったとき、種皮に含まれているアントシアニンが、なぜ液の方に出るときと、出ないときがあるのかのご質問です。
これは生きた植物の働きを研究している私にとって難しい問題ですが、まず、黒大豆のアントシアニンの含量の違いによるのではないか、が最も素直な回答ではないかと思います。産地、品種、さらに、栽培した年の気候などによってアントシアニン含量は恐らく大きく変動すると考えられます。一般に植物は生育時に、ストレス(太陽光、紫外線が強すぎる、水ストレスなど)にさらされると、紫外線や可視光の一部を吸収するアントシアニンを合成して、光合成が進行する葉緑体を保護するのが一般的です。ダイズの莢の中の実も、未熟なときは緑色で少しでも光合成をしていると思われますが、黒大豆は種皮にアントシアニンを合成できる遺伝子をもっているため、それをフルに活用している品種と考えられます。それでも黒大豆の品種や栽培地、栽培条件でアントシアニン含量の変動は避けられないでしょう。
もう一つは同じ黒大豆でも、それを炒るときの温度、時間によって、例えば、デンプン、タンパク質、脂質がいわゆる褐変反応を生じ、アントシアニンがこれらの褐変産物と反応して不溶性になってしまう可能性も否定できないように思います。調理科学の専門でないため、実験データーのない不確実な回答ですが、ご参考になれば幸いです。
酢大豆は炒った大豆に酢を加え、さらに甘味料などを加えた食品ですが、これに黒大豆を使ったとき、種皮に含まれているアントシアニンが、なぜ液の方に出るときと、出ないときがあるのかのご質問です。
これは生きた植物の働きを研究している私にとって難しい問題ですが、まず、黒大豆のアントシアニンの含量の違いによるのではないか、が最も素直な回答ではないかと思います。産地、品種、さらに、栽培した年の気候などによってアントシアニン含量は恐らく大きく変動すると考えられます。一般に植物は生育時に、ストレス(太陽光、紫外線が強すぎる、水ストレスなど)にさらされると、紫外線や可視光の一部を吸収するアントシアニンを合成して、光合成が進行する葉緑体を保護するのが一般的です。ダイズの莢の中の実も、未熟なときは緑色で少しでも光合成をしていると思われますが、黒大豆は種皮にアントシアニンを合成できる遺伝子をもっているため、それをフルに活用している品種と考えられます。それでも黒大豆の品種や栽培地、栽培条件でアントシアニン含量の変動は避けられないでしょう。
もう一つは同じ黒大豆でも、それを炒るときの温度、時間によって、例えば、デンプン、タンパク質、脂質がいわゆる褐変反応を生じ、アントシアニンがこれらの褐変産物と反応して不溶性になってしまう可能性も否定できないように思います。調理科学の専門でないため、実験データーのない不確実な回答ですが、ご参考になれば幸いです。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2007-11-13
浅田 浩二
回答日:2007-11-13